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岩間陽子・評 『中国の行動原理』=益尾知佐子・著

 (中公新書・1012円)

「強い家父長」が支配する中国社会

 中国に関する国際関係の本は、ここのところリアリズムを基調とするものが増えている。しかし本書は、文化人類学的アプローチを用いて、革命以降の中国の政治を説明してみせる。パワーポリティクスとは一味違い、人間社会の在り方から、外交に迫っている。

 分析枠組みには、フランスの歴史人口学者エマニュエル・トッドが示した、家族の類型が使われる。親子関係が権威的か自由的か、相続にあたって兄弟間が平等か不平等か、近親婚(いとこ婚)がどの程度許容されるかがメルクマールとなり、世界中の家族の形態が七つに分類される。中国の場合、親子関係は権威的、兄弟間は平等、近親婚は厳しく禁じられており、「外婚制共同体家族」と呼ばれる類型に分類される。

 この類型の社会では、父親は家族に対して強い権威を持つ。息子たちは平等に扱われ結婚後も親と同居し、家族は横に大きく広がる共同体となる。権威主義家族に属する日本では、権威は多くの人物に分散し、タテ型になる組織は一丸となって繁栄をめざす。しかし、中国では家父長一人に絶対的権威が集中し、組織はフラットであり、ボスと部下は基本的に一対一の権威関係で結ばれている。部下たちの横の関係はフラットで、互いに独立し…

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