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2020米大統領選

2020年11月に行われた米大統領選。共和党のトランプ大統領と民主党のバイデン氏が争い、バイデン氏が勝利した。

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米大統領選 「赤い州」が「青い州」へのなぜ アリゾナ、くすむ共和色

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 11月の米大統領選で、接戦が予想される州の一つが西部アリゾナ州だ。伝統的に与党・共和党が強く、党のシンボルカラーにちなんだ「赤い州」とされていたが、野党・民主党の勢いが増し「青い州」に変わりつつあるためだ。現地で「異変」の背景を探った。【アリゾナ州フェニックスで福永方人】

5人の子供持つ白人女性「トランプ氏の女性蔑視的な物言い、許せない」

 アリゾナ州の州都フェニックス郊外ギルバート。5人の子供を持つ白人女性のエミリー・サンチェスさん(40)が「今度の大統領選では初めて民主党候補に投票するつもり」と打ち明けた。「トランプ大統領の女性蔑視的な物言いが許せない。保守派の信条に逆行する政策にも賛成できない。そんな彼に追随する共和党にも嫌気が差した」

 サンチェスさんは2012年の大統領選で共和党指名候補だったロムニー上院議員の親戚で、「共和党一家」に育った。

 穏健保守派を自認し、自由貿易や「小さな政府」を信奉する。だが、トランプ政権は中国への高関税発動など、自由貿易に逆行する保護主義的な政策を進める。「ロシアや北朝鮮への融和的姿勢を含め、過去の共和党政権では考えられなかった」と憤る。

 何より我慢できないのは、トランプ氏の人間性だ。刃向かう人間を次々に政権から追放し、批判的な女性らに対しツイッターなどで「下品な言葉」を使って攻撃する。

 「大統領は国民のお手本であるべきなのに、彼は幼稚で芯が腐っている。子供への影響も心配だ」とサンチェスさん。「多くの共和党議員がトランプ氏に排除されることを恐れてか、彼を擁護しているのが情けない。変わったのは私ではなく、共和党の方だ」

 サンチェスさんの姉2人も同様の理由で無党派になった。ただ、両親はトランプ氏の熱烈な支持者。「親とは仲良しだけど、政治の話は感情的になるのでしないようにしている」と苦笑いした。

 大統領選でアリゾナ州では1952年以降、96年を除き共和党候補が勝っている。16年はトランプ氏が民主党候補のヒラリー・クリントン氏を得票率で3・54ポイント上回った。だが18年の中間選挙では、民主党が上院選で24年ぶりに議席を獲得し、下院選でも勝利した。

 米紙ワシントン・ポストの中間選挙の出口調査によると、上院選で白人男性の58%が共和党候補に投票したのに対し、サンチェスさんのような白人女性は49%にとどまり、民主党候補の48%と拮抗(きっこう)した。共和党アリゾナ州支部は、白人女性票が伸びなかった…

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【2020米大統領選】

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