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余録

バブル経済崩壊による不況で企業が新卒採用を絞りこみ…

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 バブル経済崩壊による不況で企業が新卒採用を絞りこみ、「就職氷河期」という言葉が登場したのは、1990年代前半だった。リクルートの雑誌「就職ジャーナル」(92年11月号)の「就職戦線は氷河期に突入」との特集が始まりとされる。大卒女子の就職が「ドシャ降り状態」だと警告する内容だった▲それから「氷河期」は10年以上に及んだ。この就職難を経験した世代を官民で正規雇用する取り組みを政府が進めている。いくつかの自治体も乗り出しているが、驚くべきはその倍率だ▲兵庫県宝塚市は30代半ばから40代半ばの人を対象に事務職4人を公募したが1816人もが応募し、倍率は400倍を超えた。今年度8人が合格した愛知県でも402人が応募した▲就職氷河期世代は景気が回復してからも、派遣職員など不安定な立場に置かれ続けている人が多い。宝塚市で合格した女性は「一度、波に乗れなかったら、その後も乗れない」と同世代の不遇を代弁した。異常な倍率は安定した暮らしを切望する人が多いことの表れだろう▲政府はこの世代の正規雇用について、3年間で30万人増やす目標を掲げる。将来の社会保障負担を少しでも軽くしたいという思惑からでもある▲不況による受難にもかかわらず、その後社会からは「自己責任」という逆風も浴び続けた就職氷河期世代である。国の都合はさておき、ぶ厚い氷を官民一体で少しでも解かせないものか。開きかけた扉がまたも「狭き門」ばかりというのでは、非情だ。

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