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詩歌の森へ

記憶の言葉と「テオ」=酒井佐忠

 佐佐木幸綱の最新歌集は『テオが来た日』(ながらみ書房)である。<あおぞらを燕がすべり白犬の仔犬のテオが家に来たる日>。歌集の表紙カバーに描かれた「テオ」の貌(かお)が清々(すがすが)しい。実に17冊目の歌集。由緒ある「歌の家」を守りつつ、現代短歌の最前線を疾走しつづける歌人と「仔犬のテオ」との出会い。それは現代社会の喧騒を和ませる時間。また過ぎ越しの歳月をも考えさせる時間でもある。

 <ウイスキーに氷を入れて振る音におやっと見上げ再びねむる>。生後2カ月だった白いゴールデンリトリバーのテオは、今は息子たちが去った家族の一員。画家のゴッホの弟テオドールの名を貰ったという。すでに大型犬に育ったテオをつれて歌人は朝夕、多摩川沿いを歩き、走る。テオは無心だが、歌人の心には歌の調べにかけた長い歳月の記憶がよみがえる。

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