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「非厚底」で優勝の松田 支えたのは伝説の靴職人 大阪国際女子マラソン

大阪国際女子マラソンを走る選手たちを見つめる三村仁司さん(手前)=2020年1月26日、小林悠太撮影

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 陸上長距離界を席巻するナイキ製厚底シューズが話題となる中、26日の大阪国際女子マラソンで「非厚底」の松田瑞生(24)=ダイハツ=が2時間21分47秒で優勝し、東京五輪代表が有力となった。その足元を支えたのは伝説の靴職人、三村仁司さん(71)のきめ細かな対応だった。

設定記録クリアとなる2時間21分47秒の1位でフィニッシュする松田瑞生=ヤンマースタジアム長居で2020年1月26日、久保玲撮影

 三村さんは、トップ選手の特注シューズを40年以上にわたり作り続けてきた。2000年シドニー五輪金メダルの高橋尚子さんや04年アテネ五輪金の野口みずきさんら最近の日本勢の五輪マラソンメダリストのシューズを全て担当。選手の足型を取り、選手に合わせて、左右でサイズや靴底の厚さを変える。右脚に比べて左が8ミリ長い高橋さんに、本人や関係者に黙って右の方が1・5ミリ厚い靴を提供して左右のバランスを整えたシドニー五輪での英断は語り草だ。

 外反母趾(ぼし)を抱える松田も大阪薫英女学院高時代から、三村さんのシューズを愛用。親指の付け根部分が広がっている特注品で、別メーカーのシューズに変える選択肢はなかった。

 三村さんはレースの直前まで松田と向き合った。23日にレース用のシューズを履いた松田から「きつく感じる」と言われ、急きょ2・5ミリ大きいシューズを作り直した。26日朝には「足が柔らかい。最後まで真っすぐ地面を蹴られるように」と考え、足首のテーピングをいつもより強く巻いた。「絶対、最後まで諦めたらアカン。お前のペースで行ったら勝てる」と励まして、送り出した。

 フィニッシュ直後、松田とがっちり握手を交わした三村さん。「松田は足が大きくなったり、小さくなったりする選手。その場で対応する必要がある。できなければ大した技術者ではない」。淡々とした口調に誇りがにじんだ。

 ナイキ製の厚底シューズが主流となっているが、三村さんは「他メーカーの靴は分からないが、厚くても薄くても、本人に合うかどうかが大事」と強調。東京五輪代表の前田穂南と大阪国際女子で13位だった小原怜の天満屋勢はアシックス製のシューズを変わらずに使っている。指導する武冨豊監督(65)は「ころころと変えるのは性に合わない。東京五輪前に変えることはない」と断言。「(厚底シューズに変えれば)誰でも速く走れると思ったら間違い。合うか、合わないかを考えないといけない」と同様の意見を述べた。【小林悠太】

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