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社説

新型肺炎が指定感染症に 先手打ち備えを進めよう

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 中国の武漢市を発端とする新型肺炎について、日本政府はその原因である新型コロナウイルスによる感染症を「指定感染症」に指定する。

 強制的な入院や就業制限を可能にする措置で、国内の感染者増加に備え先手を打って準備しておくことには意味がある。

 中国本土の感染者は3000人に迫り、死亡者も80人に達した。感染は中国全土に広がり、日本やタイ、ベトナムといったアジア諸国に加え、米国、フランス、豪州でも患者が出ている。武漢などの都市で交通が封鎖されているとはいえ、感染拡大にブレーキがかかる気配は今のところない。

 武漢では最初に動物から人に感染し、その後人から人へと何段階かにわたって感染した例も確認されている。潜伏期間は1~14日間と推定され、症状のない期間でも人に感染させることがあるという。

 重症急性呼吸器症候群(SARS)に比べ軽症者が多いことも感染拡大の要因である可能性がある。だとすれば封じ込めは非常にむずかしい。

 日本は2009年に新型インフルエンザの世界的流行が起きた時に、「発熱外来」など新興感染症に対処する仕組みを運用した。当時の経験や反省点、今回のウイルスの特徴を踏まえ、感染拡大を抑えつつ適切な診療ができるよう医療体制の点検や備えも先回りして進めておきたい。広報体制の点検も欠かせない。

 政府は交通が封鎖された武漢に滞在する日本人の希望者をチャーター機で帰国させることも決めた。小さい子どもがいるなど不安を抱える人にとっては歓迎できる措置だろう。

 ただ、潜伏期間を考えると無症状の帰国者が感染している可能性もある。潜伏期間を過ぎるまで、極力他の人との接触を避けて経過観察できるよう、十分な対応が必要だ。

 感染症がたやすく国境を越える時代に国際協力の重要性はいうまでもない。医療従事者の装備などが中国で不足しているとすれば、積極的に支援を進めたい。

 中国の情報公開はSARSの時に比べると格段に進んだが、それでも患者の状態や感染の仕方など不透明な部分は残る。各国が迅速に対応できるよう、いっそうの情報公開を求めたい。

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