遺伝子検査やゲノムについて学び、命の大切さや多様性を考える授業が学校などで徐々に広がっている。遺伝子から生まれる赤ちゃんの病気や自身の体質を調べるビジネスの拡大が背景にある。どんな授業が行われているのか、現場を訪ねた。
●出生前診断「体験」
「あなた、もしくはパートナーは妊娠10週目で、赤ちゃんはイチゴぐらいの大きさ。NIPTを受けますか?」
青山学院高等部(東京都渋谷区)3年の生物の授業で17日にあった長崎大の出前講座。NIPTとは、妊婦の血液から胎児の染色体異常を推定する「新型出生前診断」のことだ。講師の森藤香奈子准教授からNIPTでダウン症などが分かること、検査の正確性などの説明を受けた後、生徒17人が議論した。「陰性と分かれば安心だから受けたい」「結果を受け入れられるか不安だから受けない」「僕は受けたくないけど、彼女が受けたが…
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1996年毎日新聞入社。佐賀支局、西部本社、東京本社くらし医療部などをへて2020年から統合デジタル取材センター。障害福祉、精神医療、差別、性暴力、「境界」に関心がある。2018年度新聞協会賞を受賞したキャンペーン報道「旧優生保護法を問う」取材班。連載「やまゆり園事件は終わったか?~福祉を問う」で2020年貧困ジャーナリズム賞。共著に「強制不妊ーー旧優生保護法を問う」(毎日新聞出版)、「ルポ『命の選別』誰が弱者を切り捨てるのか?」(文藝春秋)。散歩とヨガ、ものづくりが好き。
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