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女の気持ち

母の手 神戸市北区・池田かずこ(主婦・77歳)

 このごろ、よく思い出すのが、「母の手」のことである。年齢と共に、私の手が母の手に似てきたからかもしれない。指や手のひら、特に爪はそっくりである。母の手は元々、節くれだつこともなく、白い手だった。

 しかし、戦争が激しくなり、父が召集された後は、子だくさんでもあり、生活は苦しかった。当然、母の手は次第に荒れていった。私が子供の頃、冬になると手がかじかんで、霜焼けやあかぎれができ、血をにじませていた。そんな時、母は両手で私の手を包んでくれた。ざらざらしていたけれど温かかった。

 おまけに、衣類も良質な材料はなく、私はいつも寒さに震え上がっていた。それでも、あの頃は真綿があった。軽くて保温力があり、その温かみは今思い出してもほこほこするような重宝な防寒材だった。

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