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古墳時代の井戸から銅鏡 4世紀後半、祭祀で使用か

櫟本チトセ遺跡の井戸から見つかった銅鏡=奈良県天理市役所で2020年1月28日午前11時31分、藤原弘撮影

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 奈良県天理市教委は28日、同市櫟本(いちのもと)町の「櫟本チトセ遺跡」の発掘調査で、古墳時代前期後半(4世紀後半)の井戸から銅鏡1枚が見つかったと発表した。直径3・6センチと小型で、水不足が起きないように祈る儀式などに使われた可能性があるという。専門家は「古墳時代のヤマトで銅鏡を使った井戸での祭祀(さいし)が行われていたことが分かる貴重な史料」と話している。

 同市教委によると、古墳時代の井戸から完全な形の銅鏡が見つかったのは、兵庫県明石市の藤江別所遺跡に次いで2例目。

井戸から小型の銅鏡が見つかった奈良県天理市の櫟本チトセ遺跡=同市教委提供

 天理市教委は2019年7~11月、約1600平方メートルを調査し、銅鏡が見つかった井戸は直径約2・3メートル、深さ約1・2メートルだった。銅鏡の文様は中央部から円状の圏線に向かって多数の線がのびる櫛歯(くしば)文で、国内で鋳造されたとみられる。市教委によると、櫛歯文は日本列島独自の文様で出土例が少なく、井戸で水の不足がないように祈る儀式で使われたのではないかとみている。

 古墳時代の古墳以外で銅鏡や破片が見つかった例は、祭祀遺構として知られる沖ノ島(福岡県宗像市)や古代豪族・物部氏の拠点集落とみられる布留遺跡(天理市)など、各地の約240遺跡で確認されているという。藤江別所遺跡では、井戸から銅鏡9枚が見つかっている。

 銅鏡に詳しい森下章司・大手前大教授(考古学)は「銅鏡は一定の階層以上が持てる物で、遺跡は一帯の拠点的な集落だった可能性も考えられる」と話している。今回見つかった銅鏡は2月1~23日、天理市守目堂町の市文化センターで開かれる「冬の文化財展」で展示される。【藤原弘】

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