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寄稿

直木賞を受賞して 焼肉は人類の歴史だ=川越宗一(作家)

第162回直木賞を受賞し、記者会見する川越宗一さん=東京都千代田区で15日、吉田航太撮影

 ぼくは焼肉という食べ物が好きだ。

 好きになった理由は覚えていないが、きっかけははっきりわかっている。幼いころ、家族で頻繁に利用したKR園という焼肉屋さんだ。煤(すす)と脂でくすんだ壁に囲まれた、香ばしい煙が立ち込める店内。丹念に調製されたもみだれにしっとりと濡(ぬ)れた赤い肉。月1回ほど、KR園での家族との食事はまさに至福の時間だった。小学校の高学年に進んで月の小遣い額がカルビ一人前くらいになってからは、小遣い日のたびにKR園のシャッターの前に佇(たたず)み、カルビ一人前と一カ月分の駄菓子を天秤(てんびん)にかけて悩んだ。

 「人生で最後に書く小説は、焼肉をテーマにします」

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