メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

論点

「SBS=虐待」なのか

 幼い子供への深刻な虐待事件が後を絶たない。赤ちゃんの頭を強く揺さぶることで脳に重い障害を与えるとする「乳幼児揺さぶられ症候群」(Shaken Baby Syndrome、SBS)は虐待を証明する理論とされてきた。ただ最近は無罪判決が下され、SBS理論について慎重な判断を求める声が出ている。虐待事件を減らす一方、冤罪(えんざい)被害者も生まないためにはどうすればいいのか。

 社会には痛ましい児童虐待事件が実際に起きている。この問題にどう向き合うかはとても重要なテーマだ。特に日本の場合、本格的に取り組むのが2000年代に入ってからで他の先進国と比べて遅かった。だから効果的な対応を早くしなければいけないという社会的な雰囲気は理解できる。ただ、それがSBSの問題では行き過ぎてはいないだろうか。虐待は許せないという気持ちだけで突っ走っている危うさを感じる。

 SBSと虐待を連動させる人々はまず「虐待を見逃すな」という前提で「グレーゾーンは虐待だと考えろ」が出発点になっている。私は硬膜下血腫と網膜(眼底)出血、脳浮腫の3症状があれば、頭を強く揺さぶるなどの虐待があったとするSBS理論を疑問視している。虐待の判断は3症状だけではなくさまざまな検討が必要だ。SBS理論の推進者も「3症状以外の、他の要素も参考にしている」と主張するが、十分ではない。

この記事は有料記事です。

残り3954文字(全文4527文字)

コメント

投稿について

読者の皆さんと議論を深める記事です。たくさんの自由で率直なご意見をお待ちしています。

※ 投稿は利用規約に同意したものとみなします。

利用規約

おすすめ記事
広告
毎日新聞のアカウント
ピックアップ
話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. トイレットペーパー買い占め相次ぐ 新型肺炎の影響巡りデマ 熊本で

  2. 名古屋・河村市長「柔軟に考えたらどうか」 一転して卒業式「中止」から実施へ

  3. 全国の小中高校を休校 新型肺炎で首相要請 3月2日から春休みまで

  4. 萩生田文科相「臨時休校の期間や方法、学校設置者で工夫を」 新型肺炎

  5. 「共働きなのにパニックだ」 突然の一斉休校、保護者ら衝撃 収入は、子の安全は…

編集部のオススメ記事

のマークについて

今週のおすすめ
毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです