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幼少期を愛媛で過ごした漫画家、松本零士さんが29日、松山城を舞台に「銀河鉄道999」を描いた「我が故郷―松山城―」の版画を松山市に寄贈した。松本さんは「松山城はいつでも私の心の中に故郷の風景として刻まれています」とメッセージを寄せた。
「二度と戦争のない世界に」
版画は縦36センチ、横53センチ。松山三越(松山市一番町)で28日から始まった展覧会「~画業65年を迎えて~松本零士の世界展」の開催に合わせて松本さんが描き下ろした水彩画をもとに制作された。会期中に松本さんが会場を訪れる予定だったが体調不良でかなわず、松本さんの希望で松山三越を通じて市に寄贈されることになった。
市役所であった寄贈式では、松山三越の浅田徹社長が松本さんのメッセージを代読。戦時中、両親の故郷である愛媛県大洲市に疎開していた松本さんは、父と同じパイロットになることが夢だったといい、「今回の作品は松山城の上空を飛ぶ999号に夢を乗せて描いた」という。「人は死ぬために生まれてきたのではない。生きるために生まれてきたのだ」という父の言葉を紹介し、「二度と戦争のない世界にしなければならない。若い皆さんは希望を持って生きてください」と呼びかけた。
松山市に寄贈された版画は今後公開される予定。展覧会では「我が故郷―松山城―」の水彩画や版画など約90点が展示・販売されている。2月3日まで。入場無料。【中川祐一】