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月刊・時論フォーラム

民間との境界ない時代/生活保護へ圧力/収容所を聖域に

霞ケ関の官庁街や国会議事堂。新たな「公共」のあり方が問われている=東京都千代田区で、中村琢磨撮影

 不祥事が続発する政治と行政、あるいはグローバル化が進む経済でも日本は大きな変化に直面している。この中で吉田徹氏は「公」と「私」の新たな関係に注目し、それぞれの役割を探る。井手英策氏は社会保障費削減の警鐘を鳴らし、石原俊氏は分断や暴力に直面する現代社会における集団性、共同性体験の可能性を訴えた。

 ◆民間との境界ない時代

 東大生の国家総合職試験合格者数は、依然として全体の2割近くと最多数を占めるものの、過去6年で100人以上減少している。受験者減少の中、これを埋めるのは、阪大や北大など旧帝大のみならず多くの私立大学だ。財務省と並んでゴールドマン・サックスが説明会を行う光景が東大でも見られるようになり、東大新聞の調べのように、近年では外資系コンサルタントへの就職も著しい。公文書改ざんや不正統計、助成金横領といった不祥事が生じる一方、竹信のいう国家による「企業ファースト化」のもと、官公庁事業のコンサル企業への委託も当たり前になっている。

 「公(パブリック)」のあり方は、1990年代から大きく変わってきた。

 その象徴は、イタリアのベルルスコーニ時代にさかのぼることができるだろう。有力政治家の庇護(ひご)を受けて不動産業、次いでメディア王の地位を確立したベルルスコーニは、汚職とスキャンダルに見舞われて既成政党が総崩れした94年選挙で勝利を収め、その後断続的に4度首相を務めた。その間、裁判官買収や不正経理疑惑、犯罪組織との癒着など、10以上の訴訟を抱えたが、自身や顧問の罪を軽くするため、法律改正をして切…

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