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社説

新型肺炎の国内対策 不安に応える情報発信を

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 中国を発端とする新型肺炎に日本人が日本国内で感染したケースが明らかになった。武漢からのツアー客を乗せたバスの運転手で、バスの中で客から感染したと考えられる。

 密閉された空間で長時間感染者と過ごせば感染のリスクがあることは予想されていた。家族内の感染と同様であり、その点では想定内のできごとである。

 国内での人から人への感染は今後も出てくるだろう。それにどう対処していくか、今回改めて浮き彫りになった課題を検討しておくことが大事だ。

 政府は感染者と接触した人のフォローを進めている。これは必要なことだが、それ以外の一般の人々に感染者の立ち寄り先をどこまで公開するのか。

 政府は対応の判断を自治体任せにせず、根拠のある基準を示してほしい。それが、人々の不安や感染者への差別を抑えることにつながる。

 ただ、その場合にむずかしいのは、今回の新型コロナウイルスの性質がまだよくわからないことだ。軽症者や、無症状の感染者、潜伏期間にある感染者からどの程度感染するのかもはっきりしない。

 無症状や軽症の人からもかなりの確率で感染するとすれば、武漢とのつながりがわからない感染者が今後、国内でも出てくるだろう。その場合には新たなステップの対応が必要で、今から備えを進めておくことが重要だ。

 チャーター機で武漢から帰国した日本人への対応にも配慮が必要だ。

 政府は、症状がなくウイルスが検出されなければ潜伏期間が過ぎるまで自宅などで待機を求める。それでも自分が感染していて家族などに感染させるのではないかとの不安を抱く人はいるだろう。周囲の人も落ち着かないかもしれない。

 政府はそうした不安にも応える対応と丁寧な情報発信をしてほしい。

 今後、日本でも感染者が急増する可能性はある。政府は、考え得る複数のケースを国民にも示し、それに備えるべき対応策を医療機関だけでなく企業や個人にも説明しておくことが必要だ。

 感染拡大を防ぐだけでなく、パニックを防ぐためにも適切な情報公開が欠かせない。

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