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人生は夕方から楽しくなる

ベテラン記者が大人ならではの滋味ある話を求め、旬の人と語り合う大型インタビュー。人生が楽しくなるヒントをお届けします。金曜日更新。

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イラストレーター・上大岡トメさん 老化から目背けず 活力の源は好奇心

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「ここに来たら新しいアイデアが生まれるかも」=東京都台東区の小野照崎神社で2019年11月23日、藤井太郎撮影
「ここに来たら新しいアイデアが生まれるかも」=東京都台東区の小野照崎神社で2019年11月23日、藤井太郎撮影

 自称「神社巡りマニア」。東京でお気に入りという、「学問と芸能、仕事の神様」で知られる小野照崎(てるさき)神社(台東区)で待ち合わせた。

 祭神は「小倉百人一首」に登場する平安時代の高官、小野篁(たかむら)。武芸や漢詩、絵画に秀で、法律にも明るく、夜はえんま大王の副官をしていたという逸話も残る。多芸多才のマルチプレーヤーだ。

 多芸多才といえば、1級建築士やヨガのインストラクターの資格を持ち、柔道初段、作家としても活躍するこのイラストレーターもまた、「現代の小野篁」といえるかもしれない。

 約16年前に出した著書「キッパリ! たった5分間で自分を変える方法」は、日常のささいなことから自分を変える60の方法を提案してミリオンセラーになった。毎朝のヨガを欠かさず、野菜主体の食事をして規則正しい生活を続けるなど、健康には人一倍気を付けて、暮らしてきたつもりだった。

 だが48歳の春、急にせきが止まらなくなり、夜は不眠に悩まされた。ぜんそくと診断されたのは青天のへきれきだった。毎朝点滴を2本打ち、薬を飲むと、その副作用で声が出せないようになった。「実は現役の高校生並みに、週に3日も4日もバレエの練習をしていて、運動のし過ぎだったんです。なぜそんなに運動していたかといえば、老化から目を背けたかったから」

 となれば50歳前後の知人が体調を崩したり、亡くなったりしたことも改めて気になりだした。50歳という年齢に何か秘密があるのだろうか――。

 「老化のことをちゃんと理解すれば、自分を説得できると思った」。転んでもただでは起きないのが「らしさ」である。医師や理学療法士、脳の研究者、東洋医学者などを訪ね歩き、二つの仮説にたどりついた。

 一つは、人間の体にはあらかじめ老化がプログラムされ、寿命は本来50歳に設定されているとの説。もう一つは「エネルギーボール」説。東京女子医科大東洋医学研究所の木村容子所長によると、人が持つ気(エネルギー)に個人差があり…

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