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号外大飯原発の設置許可取り消し 原告側勝訴 大阪地裁判決
社説

東北の震災復興方針 地域格差に配慮し支援を

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 政府は東日本大震災からの復興について、発生10年を過ぎる2021年度以降の新たな基本方針を決めた。復興庁の設置を10年延長する関連法改正案を通常国会に提出する。

 これまで震災から5年を「集中復興期間」、次の5年を「復興・創生期間」と位置付け、復興事業に10年間で30兆円以上を充ててきた。21年度からは、当面5年間に必要な事業規模を1兆円台半ばと見込む。

 大きな特徴は事業期間について、福島の原発事故被災地を当面10年、岩手、宮城などの地震・津波被災地を5年と分けた点だ。福島は国が前面に立って対応すると強調もした。

 福島では今も約4万人が避難生活を強いられている。原発の廃炉や汚染処理水対策など課題が山積している。インフラ整備などハード面の事業をほぼ終えた岩手、宮城と比べ、復興が道半ばであるのは明らかだ。政府は福島の再生に責任を持って取り組まなければならない。

 ただ、岩手、宮城も詳しく見ると、復興の現状は地域格差がある。

 たとえば、まちづくりでは、両県とも宅地造成がほぼ完了した。宮城県の内陸部に造成された宅地は、ニュータウンとなってにぎわいを見せている。一方で、岩手県陸前高田市などでは、事業が長引いて地元での自宅再建をあきらめる人が相次ぎ、造成地に空き地が目立つ。

 また、産業の活発さを表す「製造品出荷額等」は、両県とも県全体で震災前の水準を超えた。だが、市町村ごとでは、沿岸部で回復が遅れている。人口流出が進む中で、中小企業が人手の確保に苦しんでいる。

 被災地全体の統計的な数字からは、こうした復興のまだら模様は見えにくい。

 政府は新方針の下、福島では住民の帰還の促進、岩手、宮城では中小企業の再建支援など、これまでの取り組みを継続する。限られた予算を有効活用する上でも、自治体とともに地域ごとの実情を把握し、必要なところへ重点的な支援をすべきだ。

 政府は、毎年3月11日に東京都内で開いてきた政府主催の追悼式を発生10年の来年で終えたい考えだ。式典はいずれ区切りを迎えるにしても、被災3県では、震災はまだ終わらない。政府はきめ細かい目配りで支援をしていかねばならない。

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