メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

「禁止にしてくれれば行かなくてすむのに」新型肺炎 渡航制限に不安の声

航空会社のカウンター近くで搭乗手続きを待つ乗客ら。ほとんどの人がマスクを着けていた=福岡市博多区の福岡空港国際線ターミナルで2020年1月31日午後4時32分、森園道子撮影

[PR]

 新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大で世界保健機関(WHO)が緊急事態を宣言したのを受けて、中国への渡航を制限する動きが加速している。そんな中、政府は現時点で渡航禁止までは踏み込んでいない。中国で働く日本人は多く、春節(旧正月)に合わせた一時帰国から中国へ戻る時期を迎えた日本人からは不安の声が聞かれた。

 31日午後、中国との直行便がある福岡空港(福岡市)の国際線ターミナルでは、中国に向かうマスクを着けた日本人の姿があった。

 「国が渡航禁止にしてくれれば行かなくてすむのに」と話すのは、北九州市小倉南区の会社員男性(39)だ。外務省から届くメールで現地の感染者数が増えているのは分かるが、工場の操業再開を前に戻らなければならないという。バッグには買いためたマスクや除菌シートを入るだけ詰め込んできた。

 3月からは妻子を呼んで現地で同居する予定だったが、新型肺炎で白紙状態になった。「妻からは『こんな時になぜ戻らなきゃいけないの』と不満をぶつけられましたよ」。男性は力なく語り、搭乗手続きに向かった。

 福岡県太宰府市に帰省していた会社員男性(43)は、ともに中国で働く妻が先に帰るため、空港に見送りに来ていた。自身も1週間後には戻らなければならない。「さらに感染が広がれば、日本に帰れなくなるのではないか」とマスクから漏れる声は不安げだ。

 中国山東省の工場に赴任する予定の福岡県内の男性(46)は「感染拡大が落ち着くまでは行きたいとは思えない」と嘆いた。

 旅行客の中国への渡航も影響が出ている。

 旅行大手エイチ・アイ・エス(HIS)では現在、新型肺炎の感染拡大で閉鎖となった上海ディズニーランドや北京の故宮博物院(紫禁城)を行程に含む中国行きのツアーを2月10日出発分まで中止にした。例年2~3月は卒業旅行などの需要が増えるが「今後も状況を見ながら判断していくしかない」と話した。

 一方、中国からのクルーズ船の博多港入港を拒否すべきだとブログに書き込んだ福岡市の高島宗一郎市長は31日、記者団の取材に応じ「クルーズがきっかけでコロナウイルスが広まったとなると、港としても大きく信頼を損ねる。短期的に見れば『入港拒否』は強い言葉だと思うが、非常事態の中での対応」と理解を求めた。【平川昌範、青木絵美、加藤小夜】

おすすめ記事
広告
毎日新聞のアカウント
ピックアップ
話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 「赤福」が暴力団代紋入り焼酎を製造 浜田会長が辞任 2000年から12年まで納品

  2. クルーズ船「乗船」の神戸大教授が対応批判 菅氏は「感染拡大防止を徹底」と反論

  3. 未明、児相が女児を門前払い 窓口職員「警察に相談を」 神戸

  4. 「中国・武漢で亜硫酸ガスが大量発生 1万4000人の遺体を焼却」という情報は本当か

  5. 大阪・なんばのビル屋上で火災 朝の繁華街、一時騒然

編集部のオススメ記事

のマークについて

今週のおすすめ
毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです