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福祉分野で3足のわらじ 障害者eスポーツ大会を始めた元裁判所書記官

昨年11月に開かれた障害者eスポーツ大会「ePARA2019」について話す加藤大貴さん=東京都品川区で2020年1月15日午後3時19分、吉田卓矢撮影

 昨年11月、「全国初」と銘打った障害者の雇用促進のためのeスポーツ大会「ePARA2019」が東京都内で開かれた。企画したのは、運営委員会代表で元裁判所書記官の加藤大貴さん(38)だ。なぜeスポーツが障害者雇用につながるのか? どうして裁判所から畑違いの福祉分野に? 加藤さんを訪ねた。【吉田卓矢/統合デジタル取材センター】

障害者同士がゲームで対戦 採用担当者の姿も

 「ePARA2019」が開かれたのは、東京都新宿区のビルの一室。身体、知的、精神障害などがある参加者とその家族ら約80人が集まり、コントローラーを巧みに操作してコンピューターゲームの腕を競った。一進一退の攻防に、会場では歓声が上がった。

 大会は2部構成で、前半は招待選手によるパズルゲーム「ぷよぷよeスポーツ」の試合が行われ、「五体不満足」著者で作家の乙武洋匡さんや、ユーチューバーとして活躍する車椅子の男性らが対戦した。

 後半はトーナメント方式で、4チーム(1チーム3人)が格闘ゲーム「鉄拳7」の腕を競った。試合は動画配信され、約2000人が視聴した。雇用促進を目的としているだけあって、会場にはゲームや人材派遣関連の会社経営者や採用担当者の姿もあった。

 国は障害者雇用促進法に基づき、企業や自治体が雇うべき障害者の割合(法定雇用率、企業は2・2%、国や自治体は2・5%)を定めている。しかし、2018年には、国や地方自治体での雇用率の水増しが相次ぎ発覚。企業でも、昨年12月に厚生労働省が発表したデータでは、法定雇用率を達成したのは48%にとどまる。また、達成した企業でも「障害者を単純作業にだけ従事させるケースは多い。3カ国語が話せるのに、シュレッダーでの細断作業に従事している人もいる」と加藤さんは指摘する。

「雇用のミスマッチを解消したい」

 加藤さんは、そうした障害者の雇用と能力とのミスマッチを解消する手段として、ゲームの腕を競うeスポーツに着目した。

 昨年夏、群馬県高崎市で開かれた障害者eスポーツ大会を見に行った際、多くの障害者の熱のこもった対戦を目の当たりにした。eスポーツは、コンピューターやネット環境に慣れ親しむだけでなく、ルールを理解し、作戦を練り、他の参加者とのコミュニケーションをとることも求められる。「そうした能力を持った障害者を雇用したい企業はあるはずだ」と考えた。

 「思いつけば、すぐに実行に移したくなる性格」という加藤さんは、すぐに仲間と大会を企画して…

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吉田卓矢

1976年生まれ、兵庫県明石市出身。2005年入社。奈良支局、高松支局、大阪科学環境部、福井支局次長、水戸支局を経て、2019年秋から統合デジタル取材センター。原発や震災・防災、科学・医療などを中心に取材してきた。

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