- ツイート
- みんなのツイートを見る
- シェア
- ブックマーク
- 保存
- メール
- リンク
- 印刷
昨年10月の台風19号で堤防の決壊や氾濫が相次いだ阿武隈川で、国と県が今後進める治水対策をまとめた。浸水被害や逃げ遅れを減らすために、ハード、ソフト両面の対策を盛り込み、2028年度をめどに完了する。
ハード面の対策は堤防や遊水池の設置、河道掘削など。ソフト面では増水時の危機管理に特化した簡易な水位計の設置や、それと連動した避難計画策定などを挙げた。
ハード事業については、復旧と改良を合わせ、予算は県内分で約1120億円。河道掘削は狭さく部などを除き、流域の広範囲で計約220万立方メートル程度実施する。堤防のかさ上げや新設を計約400メートルにわたって行う他、遊水池を県南部に3カ所設置する。
また、台風19号では、本宮市などで、本川と支川の合流部で水が逆流する「バックウオーター現象」により、堤防を越水するケースがあった。支川の水位は通常、本川の水位に影響されないよう合流部から離れた地点で測定しているが、より本川に近い場所に、避難判断に特化した簡易な水位計を新たに設置。周辺地域で、この水位計の水位に応じた避難計画を地区ごとに策定する。【高橋隆輔】