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安倍政権が進めてきた大学入試改革に黄信号がともっています。そもそも入試改革の狙いは何だったのか。今後どうなるのか。

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入試の「厳密な公平」と「公正性の確保」を両立するたった一つの方法とは=澤圭一郎

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大学入試センター試験の会場に向かう受験生=東京都文京区の東京大学で2019年1月19日午前8時12分、竹内紀臣撮影
大学入試センター試験の会場に向かう受験生=東京都文京区の東京大学で2019年1月19日午前8時12分、竹内紀臣撮影

 大学入学共通テストを巡る大学入試改革の混乱は目を覆う状況だが、選抜試験や教育をどう捉えるか、を考え直すには良い機会だったと思う。

 英語の4技能を測る民間試験の導入、受験生の書く力を問う記述式問題の導入のいずれもが撤回されたが、今回の改革案がまとまった時、公正性などが担保されないという課題は、何度も指摘されていた。そもそも「1点刻みの選抜から脱却する」ことを目指していたので、一般入試での厳密な公平性を犠牲にしなければ、改革は成就しない立て付けだった。結局、その壁を越えることはできなかったということだ。

 社会に根付いた「入試の厳密な公平・公正性の確保」をいじらないのであれば、両立させる考え方はひとつしかない。

 一般入試は「1点刻み」を残す。すなわち、大学入学共通テストはマークシート式の従来型を踏襲する。国公立大学は2次試験で、論述問題や必要に応じて英語の民間試験を課す。配点や正解を公表する。2次試験の評価については、大学が責任を持って説明できるようにする。

 一方、これまでの推薦入試やアドミッションオフィス入試といった今後「総合型選抜」になるスタイルの試験は、英語でいえば外部の民間試験を活用し、小論文などの「論述」「記述式」も必須にする。入試の形はこれまでと変わらない。ただ、一般入試よりも総合選抜の枠を大きくする。しかも、推薦基準や論文採点は厳しくして「学生集め」の総合選抜は認めない。「学びの基礎診断」(注)は基本5教科にして、これも必須にする。時間をかけた面接も入れていい。

 もちろん大学のアドミッションポリシー(入学者受け入れ方針)は明確にし、それに則した入試にする。必ず「受験生の負担が大きい」という議論が出てくるが、大学教育にふさわしい学生を選抜するのであるから、ある程度の負担は当然だ。受験生におもねり簡単な入試を実施するということは、欲しい学生が明確でないことにも通じる。…

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