メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

SNS席巻 アニメ「映像研には手を出すな!」にワクワクするワケ 2日夕に第1〜4話一挙再放送

「映像研には手を出すな!」第1話の一場面。アニメ制作に情熱を燃やす浅草みどり(前列左)と水崎ツバメ(同右)、金森さやかの3人 (C)2020 大童澄瞳・小学館/「映像研」製作委員会

 1月にNHK総合で放送が始まったアニメ「映像研には手を出すな!」(日曜深夜0時10分=一部地域は異なる)が人気だ。アニメづくりを始める女子高校生3人の物語で、アニメファンのオタク心をくすぐるトリビア情報が満載。キャラクターが全く異なる3人が協力しながら一歩一歩、制作を進める姿は、アニメファンでなくても、もの作りの楽しさを思い出させてくれ、ワクワクさせられる。放送がない日も、次回を待ちわびるファンのつぶやきでソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)上は埋め尽くされるほど。2日深夜には第5話が放送されるが、その前に2日午後4時15分から第1~4話の一挙再放送が決まった。そんな話題の「映像研……」の魅力についてまとめてみた。【佐々本浩材】

湯浅政明が久しぶりに手掛けるテレビアニメ

 魅力の一つは、湯浅政明が久々に手掛けたテレビアニメ作品ということ。その名前だけで、このアニメを放送前から注目していたという人も多い。

 湯浅は現在54歳。大学卒業後、アニメ制作会社に入社すると、まもなく「ちびまる子ちゃん」(フジテレビ系)の原画を担当。フリーになった後は、「クレヨンしんちゃん」(テレビ朝日系)に作画監督などで参加し、劇場版も手がけた。2004年公開のアニメ映画「マインド・ゲーム」では監督、脚本を担当。毎日映画コンクール大藤信郎賞、文化庁メディア芸術祭アニメーション部門大賞など数々の賞を総なめにした。

 17年には監督したアニメ映画「夜は短し歩けよ乙女」と「夜明け告げるルーのうた」が順次、全国公開された。「夜明け……」は、フランスのアヌシー国際アニメーション映画祭で長編部門の最高賞であるクリスタル賞を受賞。長編部門の最高賞受賞は宮崎駿、高畑勲に次ぐ日本人3人目の快挙だった。現在は20年にネットフリックスで配信予定のアニメ「日本沈没2020」を手掛けるなど、話題作が続く。

 今回の「映像研……」は13年に設立した自身のアニメスタジオ「サイエンスSARU」の制作。大童澄瞳(おおわらすみと)の同名漫画「月刊!スピリッツ」を湯浅が見て、アニメ化を考えたが、一足遅く、アニメ化の権利は別のプロジェクトへ。権利を獲得したそのプロジェクトから湯浅に監督の依頼が来たといういわく付きの番組だ。

 湯浅が久しぶりに手掛ける連続もののテレビアニメ。しかも、連載開始当初から話題になっていた「映像研……」とあって、ファンの期待は放送前から高まっていたのは無理からぬところだった。

アニメや映画を自主制作していた実体験を反映した原作漫画

 原作は大童の初の連載漫画。16年に連載が開始され、17年には雑誌「TV Bros.」のマンガ賞「ブロスコミックアワード2017」で大賞を受賞するなど、当初から話題になっていた。

 「芝浜高校」に入学した浅草みどりはアニメは「設定が命」と力説するアニメ好き。アニメ研究部(アニ研)に入ってアニメを作りたかったが、スケッチブックにアイデアをひたすら描きためるばかりで、1人ではなかなか動き出せない日々を送っていた。上映会に一緒に行ってほしいと声をかけた金森さやかは金に執着し、利益の出ない活動は大嫌いというタイプ。根っからのプロデューサー気質の金森はアニメの知識はないが、金のにおいを感じ、アニメを作ることを考え始める。

 そんな2人が出会うのが、読者モデルをしている校内の有名人、水崎ツバメ。実はアニメーター志望で、動きのリアルさを追求し始めると夢中になるタイプだった。

 大童がネットメディアのインタビューで答えた内容によると、大童は高校時代、映画部に所属。その後、アニメを作りたくて、個人で制作していたが、2年間で2分程度のアニメしかできなかった。そのため絵コンテを漫画風に分割して作った作品を同人誌で発表したところ、スカウトされ、漫画家になったという。

 漫画には、そんな大童個人の体験が生かされているから、リアルで熱量がすごい。そもそも浅草は、引きこもり気味だった自身がモチーフだそう。金森も「僕の中の外交官」という自身の別の一面。高校卒業後、インストラクターとして映画部に関わっていた時の経験が反映されているらしい。漫画にもアニメにも、時々、登場する空想上の乗り物などのやたら詳しい図解が出てくる。それは漫画「ドラえもん」のひみつ道具の説明の影響なのだと話している。

「残され島のコナン」って何? アニメの魅力が満載

 アニメは、3人が出会い、空想の「最強の世界」で大冒険したいと作品作りに乗り出し始める第1話「最強の世界!」でスタート。第2話「映像研、爆誕す!」では、親からアニ研への入部を禁じられている水崎のため、3人が映像系の部活を名乗ってアニメ作りを目指す模様が描かれ、第3話「実績を打ち立てろ!」では、「予算審議委員会」に活動をアピールするためのアニメ作りに着手するが、さっそく浅草と水崎のこだわりが暴走し始める。第4話の「そのマチェットを強く握れ!」は、遅れがちの制作をプロデューサー気質の金森が脅したり、すかしたりして妥協案を示しながら前進させ、委員会…

この記事は有料記事です。

残り2124文字(全文4218文字)

佐々本浩材

1990年入社。大阪学芸部、メディア情報部などを経て、東京学芸部へ。演芸、放送分野を長く取材。

おすすめ記事
広告
毎日新聞のアカウント
ピックアップ
話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. わいせつDVD販売手助けの疑い バナー広告集めたサイトの運営者逮捕 4800万円稼ぐ

  2. 東京で新たに481人の感染確認 2日連続で400人超 重症者は6人増60人に

  3. 大人気、耳にかけないマスク 「小耳症」の人にも 誰もが当たり前に着けられるように

  4. GSで偽1000円札使われる 山口・下関 透かしある手の込んだ作り 記番号や印影はなし

  5. コロナで変わる世界 <仕事編②>希望退職「35歳以上」 日本型雇用に見直しの波

編集部のオススメ記事

のマークについて

今週のおすすめ
毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです