メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

社説

札幌が冬季五輪立候補 新たな理念打ち出せるか

[PR]

 札幌市が2030年冬季五輪・パラリンピックの開催地に立候補することが正式に決まった。

 26年大会も名乗りを上げたが、18年に北海道胆振東部地震が起き、途中で招致を断念した。今回実現すれば、1972年以来の開催となる。

 札幌の計画には新設の競技会場は一つもなく、72年大会時のものを含む既存施設が活用される。ボブスレーなどそり競技は、維持費の問題で休止している98年長野五輪のコースを改修する方向で交渉中だ。スピードスケートも、帯広市の屋内リンクで実施する計画が立てられている。

 札幌以外では、米国のソルトレークシティーと、スペイン初の冬季大会開催を狙うピレネー・バルセロナが招致に関心を見せている。

 これまで開催地は、原則7年前の国際オリンピック委員会(IOC)総会で決まっていた。しかし、大会の肥大化から立候補都市が少なくなり、7年前に決めるという規則は五輪憲章から削除された。

 決定時期は定まっていないが、IOCとの協議が順調に進んだ場合、早ければ来年にも開催地が決まる。

 今回は招致意欲を示す3都市について、30年以降の大会も含めて判断される可能性もある。実際に夏季大会は24年パリ、28年ロサンゼルスでの開催が同時に決まった。

 世界的に開催を望む都市が減り、五輪の将来が危ぶまれている。地元向けに新幹線の延伸や観光客誘致を強調し、開発効果や経済成長ばかりを五輪に求める時代ではない。

 懸念もある。開催経費は26年大会招致時の約4500億円に比べ、3100億~3700億円と絞り込んだ。だが、北海道経済が低迷する中、予算が膨張していけば公費負担の増加は避けられない。会場整備では、自然保護への配慮や雪不足への対応にも神経を注ぐべきだ。

 26年大会招致前に行った市民アンケートでは「賛成」「どちらかといえば賛成」の肯定的意見が約67%だった。今夏は東京五輪のマラソンや競歩、サッカーが札幌で行われるが、運営能力だけでなく、地元の理解を広げられるかも試される。

 約半世紀前に五輪を開催した札幌が、東京に続いて再び大会を招致する価値とは何か。その意味を考え、新たな理念を打ち出してほしい。

おすすめ記事
広告
毎日新聞のアカウント
ピックアップ
話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. ORICON NEWS 劇場版『鬼滅の刃』入場者に塗り絵配布、先行DL開始 作者「まだまだおうちで過ごす時間も多いので」

  2. 菅首相、日中韓会談に難色 元徴用工問題で措置講じない限り出席せず 韓国に伝える

  3. 杉田和博官房副長官が拒否の判断に関与 政府関係者明らかに 首相に経緯報告

  4. #排除する政治~学術会議問題を考える 法政大出身の菅氏へ「民主主義国家が誇り持てる首相に」 田中優子・法政大総長

  5. #排除する政治~学術会議問題を考える 菅首相二つの狙い 「徹底破壊して」作る暗い世界 経済学者・安冨教授が読む

編集部のオススメ記事

のマークについて

今週のおすすめ
毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです