特集

今週の本棚

「面白い!読ませる!」と好評の読書欄。魅力ある評者が次々と登場し、独自に選んだ本をたっぷりの分量で紹介。

特集一覧

今週の本棚・この3冊

米大統領選とメディア 石澤靖治・選

  • ブックマーク
  • メール
  • 印刷

 <1>現代アメリカ政治とメディア(前嶋和弘、山脇岳志ほか編著/東洋経済新報社/3080円)

 <2>アメリカはなぜ戦争に負け続けたのか(ハーラン・ウルマン著、田口未和訳/中央公論新社/3520円)

 <3>トランプ現象とアメリカ保守思想(会田弘継著/左右社/1980円)

 2月になると米大統領選のスタートを告げる予備選が始まり、日本でも大きな興味をもってみつめられる。それは戦術的な点からみた場合、大統領候補者同士がメディアという「武器」を使って、いかに有権者の票という陣地を奪い合うかというスリリングな「戦争」にほかならないからだろう。現代の最先端の「武器」はデジタルメディアでありソーシャルメディアである。前回のトランプ当選は大きな驚きをもって受け止められたが、<1>は彼がいかにそれらを駆使したか、有権者はその情報をどうとらえたかなどを、候補者とメディアの双方から詳細に分析したものである。今回の米大統領選とメディアの関係を理解するにはこの一冊あれば十分であろう。

 しかし、メディア選挙の勝者トランプ大統領の政策遂行については、国内外から批判が大きい。それに関して示唆を与えるのが<2>である。著者のウルマン氏は安全保障の専門家として、同書でアメリカの安全保障政策の迷走を厳しく批判している。そして、それはアメリカの政治が選挙で勝つことを最優先し、経験ある指導者を選んでいないからだと断ずる。つまり経験豊富な候補者は有権者にとって魅力的でなく、メディアに祭り上げら…

この記事は有料記事です。

残り475文字(全文1109文字)

あわせて読みたい

この記事の特集・連載
すべて見る

注目の特集