メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

今週の本棚

本村凌二・評 『21 Lessons 21世紀の人類のための…』=ユヴァル・ノア・ハラリ著、柴田裕之・訳

 (河出書房新社・2640円)

 今さらながら、デルフォイのアポロン神殿に刻まれた二つの訓戒が思い出される。一つは名高い「汝(なんじ)自身を知れ」であり、もう一つは「度を過ごすなかれ」である。本書をひもとけば、今日にあっても、それらの含蓄が耳に鳴り響くかのようだ。

 前々作『サピエンス全史』で人類の過去をふりかえり、前作『ホモ・デウス』で人類の未来を予告した著者が、本書では今現在の人類の姿を白日の下にさらす。21世紀にITとバイオテクノロジーが人類に突きつけてくる課題は、前の時代に蒸気機関や鉄道や電気が突きつけてきた課題より、はるかに大きいという。

 20世紀末には共産主義が後退し、自由主義というグローバルな物語が幸運をもたらすかに見えた。たしかに、自由主義は、伝統的な経済成長に頼ることで諸問題を解決してきたが、今や生態系破壊も技術的破壊も解消することができないでいる。むしろ、それらの破壊の原因なのだから深刻だ。

この記事は有料記事です。

残り1047文字(全文1456文字)

おすすめ記事
広告
毎日新聞のアカウント
ピックアップ
話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 「誤解に基づいた意見も」 学術会議・梶田会長「正確なデータに基づく議論」訴え 会見詳報

  2. 「嵐」「鬼滅」の年賀はがきに注文殺到 日本郵便の販売サイト、つながりにくく

  3. ORICON NEWS Sexy Zone、2年半ぶり5人でライブ 松島聡が久々の“鼻の下投げキッス”

  4. 大阪市4分割コスト試算「捏造」 市財政局 2日で一変、謝罪 市長面談後

  5. 二階派幹部、車で10時間かけて地元・山口に帰ったわけは

編集部のオススメ記事

のマークについて

今週のおすすめ
毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです