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本村凌二・評 『21 Lessons 21世紀の人類のための…』=ユヴァル・ノア・ハラリ著、柴田裕之・訳

 (河出書房新社・2640円)

 今さらながら、デルフォイのアポロン神殿に刻まれた二つの訓戒が思い出される。一つは名高い「汝(なんじ)自身を知れ」であり、もう一つは「度を過ごすなかれ」である。本書をひもとけば、今日にあっても、それらの含蓄が耳に鳴り響くかのようだ。

 前々作『サピエンス全史』で人類の過去をふりかえり、前作『ホモ・デウス』で人類の未来を予告した著者が、本書では今現在の人類の姿を白日の下にさらす。21世紀にITとバイオテクノロジーが人類に突きつけてくる課題は、前の時代に蒸気機関や鉄道や電気が突きつけてきた課題より、はるかに大きいという。

 20世紀末には共産主義が後退し、自由主義というグローバルな物語が幸運をもたらすかに見えた。たしかに、自由主義は、伝統的な経済成長に頼ることで諸問題を解決してきたが、今や生態系破壊も技術的破壊も解消することができないでいる。むしろ、それらの破壊の原因なのだから深刻だ。

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