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詩歌の森へ

『眞鍋呉夫全句集』=酒井佐忠

 句集『雪女』など雪月花の本質を求め、また幻想的な作品でも知られた眞鍋呉夫の俳句を収録した『眞鍋呉夫全句集』(書肆子午線)が刊行された。

 眞鍋は、戦前の福岡で若くして文学活動の中心となった人。矢山哲治や島尾敏雄、阿川弘之、那珂太郎らの小説家や詩人とともに同人誌「こをろ」を舞台に活躍した。小説が主だったが、1941年に若書きの第1句集『花火』を刊行。のちに92年に代表作の『雪女』で藤村記念歴程賞、2010年には『月魄(つきしろ)』で蛇笏賞を受賞するなど独自の俳句世界を構築した。

 <雪女溶けて光の蜜となり><雪をんな魂(たま)触れあへば匂ふなり>。「雪女」は季語として現在も生きている。現世にはないエロスを眞鍋は希求する。だが、交流の深かった粟津則雄は、眞鍋の描く「雪女」は「感傷的な対象ではなく、根源的な生命力の体現」と『全句集』の栞で指摘している。<月魄や出入りはげしきけものみち><真夜の月冴えて伸びゆく死者の髭>。一方、「月」の句も、ただ美しさだけではなく、「けものみち…

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