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名古屋グルメ_静岡・浜松で幻のうなぎ「共水うなぎ」を食らう!/名古屋エリア限定情報(93)

情報提供:まとメシ

半年ほど前からは月イチのペースで静岡県へ通っている。そして、浜松市へ行ったときに、ときどき立ち寄らせてもらっているうなぎの店がある。 その店は、私の中では名古屋で食べたうなぎも含めて、間違いなく三本の指に入る名店中の名店。それが今回紹介する浜松市北区にある『鰻処 うな正』だ……。

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静岡・浜松で幻のうなぎ「共水うなぎ」を食らう!


名古屋を拠点に仕事をしていると、関西や北陸に出張する機会も多い。

半年ほど前からは月イチのペースで静岡県へ通っている。

静岡県の浜松市へ行ったときに、ときどき立ち寄らせてもらっている店がある。

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浜松といえば、うなぎ。

その店は、私の中では名古屋で食べたうなぎも含めて、間違いなく三本の指に入る名店中の名店。

それが今回紹介する浜松市北区にある『鰻処 うな正』だ。

開店したのは1978(昭和53)年。

当時は天然うなぎも扱っていて、地元の人に愛される店だった。

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「高校1年の夏休みに父が心筋梗塞で倒れましてね。
なんとか一命を取り留めましたが、それをきっかけに店を継ごうと決めました。
高校を卒業してから大阪のふぐ料理店やホテルの和食店で修業して、21歳のときに戻ってきて店を継ぎました」と、
2代目店主の伊藤正樹さん。


従来のうなぎ料理と伊藤さんが修業して身につけた和食をメニューにくわえて新たなスタートを切ったのだが……。

「実際、お客さんは増えたんです。
そんななか、あるお客さんがこう言ったんです。
『流行ってるね! でも、うなぎ屋さんじゃないもんね』と。

それを聞いて、今まで自分は何をやっていたんだろうって思ったんですよ。

うなぎ屋をやりたかったんじゃないのかって」

とはいえ、先代の店主である父にもうなぎ職人としてのプライドがあった。

伊藤さんにうなぎを触らせようとしなかった。

それなら外堀から埋めようと、メニュー数を絞ることからはじまり、漬物の種類を増やしたり、わさびを代えたりした。

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「5年ほど経ったある日、初めて『(うなぎを)捌いてくれ』と言われました。

当時は天然と養殖が混在していて、とくに天然は蓋を開けたときの香りや身の脂に甘味を感じながらもサラッとしている、一般の養殖にはない美味しさなんです。

そんな天然のような鰻はないのかと探しました。

それで共水うなぎに辿り着きました」

『共水うなぎ』とは、大井川の伏流水で天然うなぎと同様に何度も四季を体感させて飼育したブランドうなぎである。

巷のうなぎ店で、とくに土曜丑の日に使割れているのは、1年未満のいわゆる新子。

皮も身も柔らかいものの、うなぎ本来の味を堪能するにはやや弱い。

一方、1年以上かけてじっくりと育てる共水うなぎは味がしっかりしている上に香りも良い。

とくに身と皮の間にある脂がマグロのトロのように甘く、口の中で上品に溶けていく。

ただし、天然うなぎと同様に美味しく焼き上げるにはうなぎ職人としても相当の技術が要る。

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では、この日に私が注文した「共水うなぎ 上うな重」(4500円)を紹介しつつ、焼きの技術についても話を聞いていこう。

まず、出されたのは、前菜二種。

静岡・三ケ日産のみかんがアクセントの「うなぎの煮こごり」(左)と、カボチャのソースで味わう「汲み上げ湯葉」(右)。

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続いて「手造りぬか漬け」。

これだけの種類があれば、うなぎが焼き上がるのを待つのもまったく苦にはならない。

本来であれば、前菜とこのぬか漬けで冷酒でもキュッとやりたいところだが、この日は車だったので泣く泣くガマンした。

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いよいよ、メインのうな重の登場である。

重箱の蓋を開けた瞬間、思わずため息が漏れてしまった。

美しい。

美しすぎるのだ。

うなぎの身に箸を入れると、引っかかることもなく、すっと切れる。

ご飯とともに頬張ると、全身の細胞が喜んでいるのか、身震いするほどの旨さに襲われた。

めちゃくちゃ旨い!


前にも述べたとおり、身と皮の間にある脂が甘く、口の中に広がったと思ったらスッと引いていく。

そして、身もきめが細かく、絹のような舌触り。

これを引き出しているのが、先代から受け継いだタレだ。

甘すぎず、辛すぎず、ちょうど良い塩梅。

もう、うなぎとしては非の打ちどころがない。

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「今回召し上がっていただいたのは、2年ものの“ひね”ですから、蒸しを入れました。
仕入れたうなぎごとに肉のつき方や皮のかたさが違いますから、地焼きのみのときもあれば、今回のように蒸しを入れることもあります。
もちろん、焼きや蒸しの時間もそれぞれ違います」

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さらっと話してくれたが、ここまでの道のりは決して平坦なものではなかったと推察する。

そのバックボーンとなっているのは、「どうすれば、もっと美味しくなるか?」という持ち前の探究心に違いない。

なによりも、会話の端々に伊藤さんの共水うなぎ愛がヒシヒシと伝わってくるのだ。

私は彼のように食材を愛する料理人が大好きだ。

写真は、お吸い物。

最後まで本当に美味しく食べられた。

伊藤さん、ご馳走様でした。


mato_nagoya_093_image2_1580479954 鰻処 うな正
[住所]静岡県浜松市北区三方原町467-4
[TEL]053-437-3451
[営業時間]11時〜14時半L.O.、17時〜19時半L.O.
[定休日]火曜の夜、水曜









永谷正樹(ながや・まさき)
1969年生まれのアラフィフライター兼カメラマン。名古屋めしをこよなく愛し、『おとなの週末』をはじめとする全国誌に発信。名古屋めしの専門家としてテレビ出演や講演会もこなす。

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