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限界コンビニの今

商売経験のない「脱サラ」組が次々参入、本部の経営指導員が商品を無断発注するトラブルも──。限界を迎えるコンビニの現状を探った。

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限界コンビニの今

/上 オーナーの休日は「20年間で10日もなかった」 コンビニという「勝ち組」モデルの限界

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不規則な生活で「ひどい目まいに悩まされている」と訴えるセブン-イレブン加盟店のオーナー=関東地方で2019年12月12日午後7時半、和田憲二撮影
不規則な生活で「ひどい目まいに悩まされている」と訴えるセブン-イレブン加盟店のオーナー=関東地方で2019年12月12日午後7時半、和田憲二撮影

 冷えた冬の夜空にオレンジと緑と赤の看板が浮かぶ。関東の田園地帯にあるセブン―イレブンで、40代の男性オーナーは赤い目をこすった。「ゆうべの深夜勤務が明けてから、まだ一睡もしていなくて」

 深夜勤務(午後10時~午前6時)は本来週2回だが、アルバイトが急に休むと呼び出され、「先週は4回深夜に入った」。他にも早朝勤務(午前6~9時)が週2回あり、発注も自ら行うため店に出るのは毎日だ。オーナーになった1990年代は「コンビニのバイトは人気があった」が、ここ数年は求人サイトからの応募はなく、20年間で休みは計10日もない。

 埼玉県で経営していたローソン加盟店を2019年夏に廃業した50代男性は、「出店から6年間で休みは親戚の結婚式があった1日だけ。これだけ働いても生活が成り立たなかった」と振り返る。開業する際、ローソン本部から「売上高は1日45万円ほど見込める」と聞いたが、駅から遠く、実際は平均30万円弱。人件費を削ろうと妻と交代で24時間店に立ったが、経営は改善しなかった。現在は警備の仕事に就いており、「手取りは更に減ったけど休みはある。人間らしい生活はできるようになった」。

 経済産業省が19年8月に全国のコンビニオーナーを対象に調査すると、回答者の29%が「1日12時間以上」店に立ち、66%が「週休1日未満」だと答えた。休めない、もうからない――。24時間営業を前提にしたコンビニ経営は、限界に直面している。

商売経験ない「脱サラ」組が次々参入

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