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埼玉高速鉄道、浦和美園以北の延伸議論熱く レッズも2万人超署名の要望書

埼玉高速鉄道=さいたま市緑区の浦和美園駅で2020年1月22日、山越峰一郎撮影

 埼玉高速鉄道の延伸計画がにわかに熱を帯びてきた。清水勇人さいたま市長が2019年末に前向きな発言をすると、大野元裕知事も年明けに意欲を表明。浦和レッズは3日、市長と知事に延伸要望書を提出した。一方、18年5月に市主催の延伸協議会が出した報告書は「直ちに事業化できるものではない」と課題を指摘しており、協議が続いている。【山越峰一郎】

埼スタが駅から遠い理由

 埼玉高速鉄道の歴史は1962年、地下鉄を10路線に増やすよう都市交通審議会が運輸相(当時)に答申したことに始まる。都心回帰が進む現在とは異なり、当時は都心から近郊に人口が移る「ドーナツ化現象」が進み、「通勤地獄」の緩和が急務だった。その一つ、東京メトロ南北線が91年以降、順次開通。赤羽岩淵―浦和美園駅間(14・6キロ)は、01年に開業した。埼玉スタジアムが浦和美園駅から遠いのも、さいたま市の浦和美園地区開発計画が先にあったためだ。

 この「繰り上げ発車」は経営面に影響する。25~30年間で黒字転換する計画だったが、浦和美園駅周辺の開発が進まず、利用者数は1日5万人と想定(10万~14万人)を大幅に下回った。その後、リーマン・ショック(08年)や東日本大震災(11年)もあって赤字が続き、14年には県主導で私的整理の一種である事業再生ADR(裁判外紛争解決手続き)による負債処理が行われた。

 黒字になったのは15年度から。この年、周辺人口の増加で利用者数は1日10万人を超えた。ただ、県から出向する市川善一・埼玉高速鉄道常務は「人口増だけでは経営は厳しかったのではないか」とADRは避け難かったとみる。現社長の荻野洋氏はJR東日本出身。本社役員室をカルチャースクールに貸し出すなど、爪に火をともすような節約経営を続けている。

人口増と快速運転で「採算ライン」に

 18年に出た報告書は、確実な前提に基づく試算に加え、条件を変更した場合の試算も同列に検討した。国の補助を得るには採算性が1を超える必要があるが、確実な前提の試算はこれまで同様0・8。ただ、沿線開発による人口増及び快速運転を条件にすると1・1になった。さいたま市の計画では、浦和美園地区の人口は4万人を超えるとしている。

 一方、県が懸念する要素もある。岩槻駅周辺は計画人口でさえ大幅増は見込んでおらず、目白大学周辺が見込まれる中間駅に至っては、農地ということもありまだ十分…

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