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社説

クルーズ船で集団感染 国内流行に備える対応を

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 横浜市のふ頭沖に停泊しているクルーズ船で新型肺炎の集団感染が確認された。香港で下船した乗客の感染が判明したことをきっかけに、この感染者と接触した人や症状のある人などを調べた結果だ。

 クルーズ船では多国籍の人が限られた空間で長期間を共に過ごす。食事やイベントなど感染者と濃厚接触するチャンスも多い。

 今回の新型コロナウイルスは1人から数人に感染するとみられており、1人でも感染者がいれば乗客の間に感染が広がることは十分に予想されたことだ。

 政府は乗客乗員全員を潜伏期間が終わるまで船内に留め置く方針だ。潜伏期の感染者がいる可能性を考えると、やむを得ない措置だろう。

 乗客の間のさらなる感染を防ぎつつ、それぞれの健康状態にも十分気を配り、ストレスをためずに過ごせる方法を考えてもらいたい。

 クルーズ船は特殊な環境だが、中国での感染拡大や、武漢からチャーター機で帰国した日本人の感染状況をみると、日本国内でも流行が起きうることを想定しておくべきだ。

 政府は受診希望者の相談を受け付ける「帰国者・接触者相談センター」と、感染が疑われる人の診療にあたる「帰国者・接触者外来」の設置を自治体に依頼した。全国で迅速に対応してほしい。

 こうした情報を日本人はもちろん、観光客も含めた外国人にも周知することが大事だ。国と自治体の間で感染にかかわる正確な情報がすばやく交換できる体制も再点検してもらいたい。

 感染者や患者が増えた場合に相談センターや専門外来が対応不能に陥ることがあってはならない。院内感染を防ぎつつ十分な診療に当たることができるよう、今から準備することも求められる。

 重症化する人は少なくても、感染が拡大すれば高齢者や持病のある人が重症化のリスクにさらされる。弱者を守るためにも、手をこまめに洗う、症状のある人がマスクを着用する、といった予防対策は欠かせない。

 感染の有無を通常の医療機関でも迅速に判定できる検査キットの開発も急がれる。今回のウイルスに有効な既存薬の探索も世界で行われている。日本も国際協力で貢献したい。

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