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余録

「獅子の分け前」と呼ばれるイソップ物語は…

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 「獅子(しし)の分け前」と呼ばれるイソップ物語は数種のパターンがある。一つは獅子とロバ、キツネが狩りをして、獲物を均等に分けたロバを怒った獅子が食べてしまう。それを見たキツネは獅子にほぼ全部を譲った▲物語の書き手は「他人の不幸は人を賢くする」と教訓を付す。別パターンでは3匹の動物と狩りをした獅子が獲物を4分割し、4分の1を自分の分とする。次の4分の1は自分の優れた勇気ゆえ、次は親と子のためにと自分で取った▲残り4分の1については「議論したい者は相手になるぞ」と脅して自分のものに……最初は正当な権利を装いながらの独り占めである。両パターンの示すところ、強者はルールを勝手にねじ曲げ、弱者はそんたくしないと食べられる▲権力私物化と追及された「桜を見る会」をめぐる首相や官房長官の詭弁(きべん)や強弁、役人らの卑屈なそんたく。永田町版イソップ物語をいくつも編めそうな国会序盤の論戦である。これでは会の招待枠の「分け前」も膨れ上がったわけだ▲わけても納得いかぬのは「名簿は破棄」「個人情報」はては「国家機密」も持ち出した真相解明拒否だ。イソップ物語ならぬ今日の政府で、権力私物化の歯止めたる公文書の役割を骨抜きにする獅子の論法がまかり通ってよいものか▲野党は先日、某検事長の異例の定年延長が次期検事総長を政権に近い人物にするための政治介入ではないかと追及した。IR汚職摘発のおりしも、もしや獅子に公平を求めるロバは食っておくつもりか。

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