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論点

幼保無償化問題を問う

 幼児教育・保育の無償化が2019年10月に始まった。安倍晋三首相が消費増税の目的として掲げた政策だが、これまで保育料が高かった高所得者世帯ほど恩恵が大きくなるという不公平を生んだ。待機児童が解消しない中、新たな保育所の利用希望者を呼び起こす可能性も指摘されている。支援の効果を探った。

 幼保無償化は、制度開始前からさまざまな問題点が指摘されてきたが、対策が取られないままスタートしてしまった。所得に応じて自己負担額が決まる従来の制度がなくなり、所得が高いほど恩恵が大きい仕組みになっている。保護者からは「浮いたお金で旅行に行こうか」という声も聞こえる。その分の費用を子どもの英語やプログラミングなどの学習に充てれば、教育格差が生じかねない。現に無償化を既に実施している韓国では、そうした問題が起きている。

 もともと納税者側には教育や福祉について「限られた財源を大切に使う」という発想が弱かった。無償化より、まずは、保育士の給料引き上げや、保育の質を第三者がチェックする仕組み作りに予算を投じるべきだった。保育の質を現場に委ねたままお金だけをばらまいた形と言える。財源不足の中、費用対効果や納得感のある負担のあり方をきちんと考える必要がある。

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