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社説

読書感想文コンクール 言葉の力知るきっかけに

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 言葉の豊かさは想像力の豊かさにつながるとともに、自分の思いや感動を他人の心に響かせる。

 第65回青少年読書感想文全国コンクール(公益社団法人全国学校図書館協議会、毎日新聞社主催)の入賞者が決まった。中学校の部では、言葉の持つ力をテーマとした2作品が上位の賞に輝いた。

 内閣総理大臣賞の秋田県・十文字中1年、高橋英佑さんは詩人、まど・みちおさんの「いわずにおれない」(集英社)を読み、詩の力について考えた。生き物や自然を探究し、その本質を言葉で伝えようとした著者に触発され、自分も「僕の中にどんどん言葉を蓄えていく」と誓った。

 文部科学大臣賞の宮城県・階上(はしかみ)中3年、佐藤くるみさんは、辞書作りに取り組む編集者を描いた三浦しをんさんの「舟を編む」(光文社)から、人と人をつなぐ言葉の大切さを知った。

 日本の子どもは、自分の考えを言葉で表現して相手に伝えるのが苦手といわれる。経済協力開発機構の2018年国際学習到達度調査(PISA)でも、自由記述形式で読解力を測る問題の正答率が低かった。

 子どもの言葉を豊かにし、表現する力を育むのが読書習慣であることは言うまでもなかろう。

 では、どうすれば子どもに多くの本に触れてもらえるのか。ヒントになるのは昨年の学校読書調査だ。小中高校とも「家の人と読んだ本の話をする」という層が「しない」層に比べて読書意欲が高いという結果が出た。さらに、「学校で先生や司書に本をすすめられることがある」のも読書量の多さにつながっていた。

 身近な大人の働きかけが、いかに大事かを表している。また、語り合える相手がそばにいることで、読書の喜びは広がっていく。大人は自信を持って自分の「おすすめ本」を子どもに示してほしい。

 コンクールには全国の小中高校と海外日本人学校計2万5579校が参加し、397万編余りの応募があった。きょう東京で表彰式がある。

 読書感想文の良さは、本を読んで考えたことを言葉にする作業を通し、自分の心と向き合いながら、他人と感動を共有する喜びも得られることだ。言葉の力を知る貴重な取り組みとして大事にしたい。

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