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母校をたずねる

水戸一高 いつか書きたかった「歩く会」 小説家・恩田陸さん=1982年度卒

作家の恩田陸さん=東京都千代田区で2019年12月20日、小林努撮影

 水戸市の茨城県立水戸第一高校は、創立141年の伝統校。バンカラと自由奔放さを併せ持つ独特な校風で、多彩な卒業生を各界へ送り出しています。初回は直木賞作家、恩田陸さん(55)=1982年度卒。代表作「夜のピクニック」は、全校生徒が70キロ前後を一昼夜かけて走破する過酷な伝統行事「歩く会」がモデルです。「鳥の巣のよう。自由で放し飼いだけど、守られている」と「一高」の日々を振り返ります。【小林杏花】

 親は転勤族でした。入学から卒業まで一緒だったのは一高が初めてで、感慨深く、印象に残る学校生活でした。学校は鳥の巣のよう。あたたかく守られつつも、放し飼いで、制服もなく自由な雰囲気。高校だけど大学みたい。とにかく、面白い学校でした。

 一高を選んだのは、いい学校に行きたいという理由もありましたが、立地も魅力でした。広大な水戸城跡にあり、水戸駅から歩いて行くと、最後に水郡線が走るお堀の跡を橋で渡って学校に入る。まさに城塞(じょうさい)。何か面妖な感じなのです。

 だから、デビュー作の「六番目の小夜子」ではちょっと怖い学園ものを書きたくて、さっそくモデルにしました、行くとわかりますが、怖いものが出てくる気配があるのです。

 部活は美術部で油絵も描いていましたが、作文が得意でメインは新聞部。狭い部室で、精いっぱい、みんなで見えを張って意見を言い合い、何か小難しいことを話していました。私はそうした議論からは少々脱落していましたが、校内雑誌で評論みたいなこともしていました。いま思うと若げの至りですね。

 議論好きといえば、全校集会で、校長先生の話の後、誰でも手をあげれば持論を展開できる「自由討論」がありました。青年の主張のようで、先生たちはノータッチ。結構、長引いたりもしました。学園紛争の名残で「校歌問題」というのがありました。軍国主義を思わせる戦前からの歌詞をめぐり、賛否で激論になったりしました。

 私はといえば、ぼーっと見て…

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