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終わらない氷河期~疲弊する現場で

「自由な働き方だが…」 配達中でも、けがの補償不十分 43歳ウーバーイーツ配達員

 都市部でよく見かけるようになったウーバーイーツの配達員。柔軟な働き方を好む若い人から人気があるが、身分は不安定で労働環境も十分とは言えないようだ。非正規労働を続ける「就職氷河期世代」の男性の人生から、労働現場はどうあるべきか、考える。

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 2月1日正午過ぎ、東京都中野区の自宅近くの交差点で土屋俊明さん(43)がスマートフォンを手にすると、1分もたたないうちに「ピコン、ピコン」と音が鳴った。「早速きましたね」と話すと、バイクにまたがり、表示された近くのとんかつ店に向かった。料理配達サービス「ウーバーイーツ」の配達員として働く土屋さん。「就業時間の決まりはなく、人間関係の煩わしさがない自由な働き方が気に入っている」と話す一方、配送の距離単価が急に改定されるなど報酬体系が不透明なうえ、勤務中のけがへの対応も不十分で、「人として扱われていない」と感じている。

 東京都練馬区出身の土屋さん。絵を描くことが好きで、都内のグラフィックデザイン科がある私立大に進学した。卒業は就職氷河期まっただ中の1999年だが、「特に就きたい仕事がなかった」ため、パソコンショップのアルバイトを続けた。警備員や広告代理店でのアルバイトを経て、専門学校に通い、介護福祉士の資格を取り、デイサービス施設で働いた。

 週4日、1日50人の送迎や入浴介助などを担ったが、「自分のミスで利用者が亡くなる恐れもあり、いつも緊張と隣り合わせ」の厳しい仕事。体力的にもきつく、「明るい展望が見いだせない」と半年ほどで辞めた。2014年3月からは、美術品の競売を手がける企業にアルバイトで採用。絵画の傷やカビをチェックする仕事は、版画や油絵の技法など、在学時に学んだ知識を生かせたうえ、同僚にも恵まれた。だが、会社から正社員採用…

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山口朋辰

1979年横浜市生まれ。神奈川新聞社を経て2004年入社。神戸支局、豊岡支局、大阪社会部、中部報道部を経て、19年春から統合デジタル取材センター。世の中の喜怒哀楽を発信していきます。

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