山本鼎(かなえ)が1919年に長野県神川村(現在は上田市)で始めた農民美術運動を取り上げた展覧会がおこなわれている(上田市立美術館で24日まで)。自画自刻の創作版画の立役者として知られる山本は、老齢の漁夫がゆったりと構えた姿を卓抜なデッサンによって描き出した作品で東京美術学校在学中に注目を集め、森田恒友、石井柏亭らと美術文芸誌『方寸』を創刊し、若くして才能を認められた。
その芸術家が後半生を農民美術運動と児童自由画教育に費やしたと聞くと、意外に思われるだろうか。版画や油彩画の創作や美術団体の運営もおこないつつ、画壇における評価と直接結びつかないこれらの活動に大きな労力を注ぎ込んだ。
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