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武漢封鎖2週間「この先いつまで…」 続く移動制限、監視 市民ら疲弊と不安

防護服に身を包み消毒液を噴霧する担当者(中央)=武漢市で2020年2月3日、AP

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武漢と黄岡

 新型コロナウイルスによる肺炎が広がり、8日には新型肺炎の疑いがある日本人男性が死亡した中国湖北省武漢市。感染を抑え込むため1月23日から都市封鎖が続く。住民は移動を制限され、多くが自宅で事態の沈静化を待っている。封鎖の長期化で市民の間では疲労感や将来不安が広がる。電話や通信アプリなどを通じて、武漢市民に現状を聞いた。

 「家の中にいて退屈している。できることは限られる。寝ているか、ドラマを見るか、スマートフォンをいじるか。家族と『これからどうしよう』と毎日話し合っている」

出入りする買い物客を検温するスーパーマーケットの職員=湖北省武漢市で7日、ロイター

 武漢市中心部・漢陽区に住む大学4年の女子学生(22)は毎日新聞の電話取材でこう語った。自宅の近くではタクシーやバスでの移動もできず、同じ団地から感染者が2人出たとの情報も飛び交う。外出に不安を感じ、極力控えている。

 団地の入り口では検温され、住民の出入りが厳しく警備員に監視される。食事や商品の配達は来るが団地の中には入れない。母親が近くのスーパーに時々買い出しに行き食材は入手できるが、値段が割高なうえ混雑で買い物に2時間近くかかるという。

 湖北省内の大学に通うこの女子学生は2月10日ごろに新学期が始まる予定だったが、大学から最近「戻らないで」と連絡があった。一番、不安なのは進路だ。「元々将来について悩んでいたが、この先いつまで自宅にいればいいのか予想できないし、不確定要素が多すぎる」。女子学生は「困っています」と繰り返し、ため息をついた。

 工場に勤める父親も、仕事ができずに家にいることで精神的に疲弊している。復帰できなければ給料ももらえなくなる、と不安を打ち明けるという。

 一方、武漢出身で大阪在住の50代男性の母親(77)は、武漢でウイルスの発生源とされる市場付近の高層マンションに住む。男性によると、母親は1月23日以降、自宅から出ていない。当局から「外出しないように」との要請が来ているためだ。春節(旧正月)前に食材を買いためていたため食事には困っていないが、通信アプリで話をすると母親は「いつになれば平穏に戻るのか」と男性に精神的な苦痛を訴えるという。また、母親の近くに住む弟夫婦は、近隣の知人が複数、コロナウイルスによる感染で亡くなり、不安を募らせているという。【工藤哲(上海)、岡村崇】

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