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小林多喜二と同時期に拷問で死亡 無名の活動家が生きた時代とは 11日に評伝刊行

2月11日に発売される「西田信春--甦る死」=津島史人撮影

 戦時色が強まっていた1933(昭和8)年、作家・小林多喜二の拷問死の直前に、やはり特高警察に検挙され、福岡県で死亡した社会運動家がいた。北海道出身の共産党員、西田信春(死亡時30歳)。散在していた資料を、がん闘病を押して収集した同郷の元高校教諭が亡くなる直前、初の本格的な評伝にまとめ、無名の活動家の生涯に光を当てた。専門家も高く評価する著書は西田の命日とされる2月11日に刊行される。

 北海道新十津川村(現・新十津川町)出身の西田は旧制一高から東京帝大に進み、学生運動団体「新人会」での活動を経て、29年3月、共産党に入党した。その翌月、全国の党員が一斉検挙された「四・一六事件」で逮捕され、32年、治安維持法違反で懲役5年の判決を受けた。だが、保釈後に逃亡していた西田は服役することなく、壊滅状態だった九州の組織再建に向かい、そのまま失踪した。

 このため一時期は「当局のスパイだったのではないか」との説もあったが、九州全域であった共産党員弾圧で検挙され、福岡県内の警察署で拷問され死亡していたとみられることが戦後になって判明した。同様に警視庁築地署で拷問を受けた多喜二の死亡(33年2月20日)の9日前のことだった。

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