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規制委、命令案も密室協議 委員長説明に疑義 関電原発対策

原子力規制委員会の事前会議について見解を述べる更田豊志委員長=東京都港区で2020年1月15日、田中龍士撮影

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 原子力規制委員会が非公開の事前会議で、関西電力に求める火山灰対策の2案を1案に絞り込んだ問題を巡り、この案に基づく関電への命令文の原案も事前会議で配布されていた。関係者によると、更田(ふけた)豊志委員長らはその場で原案の文言を検討。原案を手直しした命令文を6日後の委員会(公開会議)で発表していた。事前会議が意思決定の場であることが鮮明になった。

 事前会議について、更田委員長は「ブレーンストーミングの場。何らの選択も意思決定もしていない」と主張し、議事録未作成や配布資料の廃棄は公文書管理法に抵触しないとの見解を示す。だが実際には、関電に要求する方針の選定にとどまらず、命令文案の検討まで行っており、委員長の説明に疑義が生じた。

 事前会議は2018年12月6日、委員長室で開かれ、担当の石渡明委員、原子力規制庁の安井正也長官(当時)ら計11人が出席。一部研究者から大山(鳥取県)噴火時の火山灰想定が過小評価されていると指摘された関電3原発(高浜、大飯、美浜)に対し、①速やかに文書指導で設置変更申請を促す②規制委の判断を先送りし、想定の再評価を命じる――の2案を併記した資料が配布された。

取材で判明した原子力規制委員会の意思決定過程

 関係者によると、会議では、前半の議論で①案を退けて②案を選んだ後、命令文の原案が配られ、検討に入ったという。毎日新聞が入手した原案には「平成30年12月12日」とあり、翌週に開催する公開会議の日付が記載されている。

 原案と正式な命令文を比べると、表現が修正された箇所が複数ある。

 規制委が与えた許可との整合性について触れた部分では、原案で「前提条件に有意な変更が生じていると考えられる」としていたが、「前提条件に有意な変更が生じる可能性があると考えられる」に変わった。原案のままでは、規制委として現状が基準不適合と判断していることになる。運転停止を求める声が高まる可能性があったため、表現を後退させたとみられる。

 12月12日の公開会議では規制庁から②案だけが提示され、全委員5人の同意で正式決定した。

 取材に規制庁広報室は、命令文の原案について「庁内で作成された文書である可能性はあるが、11人全員に確認したところ、配布されたことを記憶している者はいなかった」と回答した。【日野行介、田中龍士】

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