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社説

広がる性被害の訴え 救済策の拡充急ぐべきだ

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 性暴力をなくそうと訴える「フラワーデモ」が広がっている。

 きっかけは昨年3月、性犯罪事件で無罪判決が4件続いたことだった。抵抗できる余地があったことなどを判決の理由としたため、女性たちの怒りが高まった。

 デモの参加者は花を手にし、被害者の気持ちに寄り添う。被害者自身がスピーチすることもある。昨年4月に東京で始まってから毎月11日に各地で開かれるようになった。

 被害者はこれまで声を上げたくても上げにくかった。内閣府の調査によると、性交などを強要された経験のある女性のうち、半数以上が誰にも相談していなかった。「恥ずかしかった」「自分さえ我慢すれば、なんとかこのままやっていけると思ったから」などが理由だった。

 被害者の声にどう応え、救済するのか。一つの相談窓口へ行けば医療のケアや法律面の助言を含め、全ての支援が得られる「ワンストップ支援センター」の拡充が欠かせない。

 支援センターは全ての都道府県に少なくとも1カ所設置されているが、態勢は十分とは言えない。

 東京で2012年から24時間の電話相談を受ける支援センターの「性暴力救援センター・東京」(SARC東京)の担当者は「もっと認知度を上げるとともに、医療機関の協力が必要だ」と指摘する。

 そのためには性被害に関する診療報酬の加算や自治体の資金援助など医療機関への支援が求められる。

 性被害は妊娠、中絶、性感染症など身体への影響のほか、フラッシュバックやパニック発作など精神的な後遺症も少なくない。被害者の回復のために専門的な医療機関が足りず、どう増やすのかも課題だ。

 性犯罪をめぐっては、17年に刑法の規定が改正され、厳罰化が進んだ。しかし、暴行や脅迫がないと犯罪が成立しないため、法改正を求める声が出ている。今年は法律の見直しを検討する節目の年に当たる。

 ジャーナリストの伊藤詩織さんが顔と実名を公表して性暴力被害を訴え、勝訴した民事裁判もこうした動きを後押しするだろう。

 今も声を上げられない被害者は多い。「魂の殺人」と言われる性被害にどう向き合うのか、私たち一人一人の意識が問われる。

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