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バレエの場

入賞ゼロは「バレエ大国にかげり」か? 最善を尽くした日本勢 中継越しに見たローザンヌバレエコンクール

決選での松岡海人さん。「アルレキナーダ」を軽快に踊った(C)Gregory Batardon=コンクール事務局提供

 加治屋百合子さん、平野亮一さん、高田茜さん、菅井円加(まどか)さん……。欧米で活躍する日本人プリンシパル(最高位)が、相次いで祖国の舞台をにぎわしている。夏休みの里帰り以外でこれほど客演が重なることは珍しく、バレエファンには熱い冬、といったところだ。

 彼らにはダンサーの登竜門・ローザンヌ国際バレエコンクールの出身、という共通項がある。NHKの特集番組を毎年楽しみにしているオールドファンの筆者は、彼らの成長を親戚の伯母さんのような心境で(勝手に)見守ってきた。わけても、当時15歳だった加治屋さんの初々しいジゼルは忘れがたい。あれから20年。日本バレエ協会公演「海賊」(9日・東京文化会館)では、心技体ともに充実したあでやかなヒロイン・メドーラに変貌していた。

 くしくも同日、今年のローザンヌ・コンクールの結果がスイスで発表されたが、日本勢の入賞はならなかった。そもそも決選に進んだのも、松山市の松岡海人(かいと)さん(15)ただ一人。成績だけを見れば、「かつてない不振」とか、「バレエ大国にかげり」などと危ぶむ声も上がりかねない。

 だが、ネットのライブ中継で遠巻きに見守っていた限りでは、日本勢の出来は決して悪くなかった。むしろ全体の完成度は、諸外国よりも高かったのではなかろうか。

 現地取材をしていない身で軽々な発言はできないものの、一見芳しくない今回の結果の背景には、国内のバレエ環境の激変があるように思われる。日本から現地審査に進んだ13人のうち、実に8人が、すでに海外の名門校に在籍。日本人一般にとって「ローザンヌが海外へ留学する唯一の手段だった」(1980年入賞の堀内元さんの言)時代…

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斉藤希史子

1990年入社。東京学芸部編集委員。書評、歌壇・俳壇の担当を経て、現在はバレエとクラシック音楽を取材。学生時代は中世国文学を専攻したため、部内では「古典派」と呼ばれている。ひいきは元・英ロイヤル・バレエのブルース・サンソム。

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