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東京へ ともに歩む

毎日新聞

リオデジャネイロ五輪代表選考を兼ねた日本選手権男子200メートル平泳ぎ決勝2位で日本代表入りを決めた渡辺一平(右)と健闘をたたえ合う北島康介=東京辰巳国際水泳場で2016年4月8日、小川昌宏撮影

アスリート交差点2020

記憶に残るスイマーへ 若手の台頭 4年前の自分を重ね=競泳・渡辺一平

 思い返しても、あれほど泳ぎにくいレースはありませんでした。2016年リオデジャネイロ五輪の代表選考を兼ねた日本選手権です。男子200メートル平泳ぎは北島康介さんの応援一色でした。あれからもう4年。再び迎える五輪選考会を前に、自分の置かれている立場はがらりと変わった。そう実感しています。

 4年前は大学2年になったばかり。五輪2大会連続2冠の北島さん、12年ロンドン五輪銅メダルの立石諒さんら実績のある選手に立ち向かい、がむしゃらに泳いで代表権を勝ち取りました。

 17年には当時の世界新記録をマークし、2大会連続で世界選手権の表彰台にも上がったことで、今は追われる側となりました。ただ、プレッシャーはありません。あくまでも選考会は「通過点」。1人だけ泳いでいるステージが違うなと思ってもらえるレースを見せます。4年前と違うのは世界と同様、国内のレベルも想像以上に上がり、代表争いはし烈だということです。

リオデジャネイロ五輪代表選考を兼ねた日本選手権男子200メートル平泳ぎ決勝2位で日本代表入りを決め、拳を固める渡辺一平=東京辰巳国際水泳場で2016年4月8日、小川昌宏撮影

 自己記録では僕の2分6秒67の次に、17年世界選手権銀メダルの小関也朱篤(やすひろ)選手と大学1年の佐藤翔馬選手が2分7秒台で続いています。19年世界選手権代表の小日向一輝選手も加え、多くの選手が代表権獲得には「2分6秒台」と口にしています。

 4年前の優勝タイムは小関選手の2分8秒14でした。世界を見渡しても、これだけハイレベルな選考会は日本だけだと思います。

 若手の台頭にも刺激を受けています。1月の北島杯で、この時期の好タイムと言える2分7秒58で優勝した佐藤選手です。まさに伸び盛りで、4年前の自分を先輩たちはこういう気持ちで見ていたんだなと思いました。僕は2位でしたが、コーチから設定された目標タイムを上回る2分7秒86で泳ぐことができ、強化が順調に進んでいる手応えを感じています。

 4月の代表選考は過去の実績や自己記録は全く関係のない一発勝負です。会場は東京五輪と同じ東京アクアティクスセンター。本番を意識してレースに臨みます。そのためにもぜひ会場に足を運んでいただき、五輪に向けた泳ぎを観戦してもらいたいです。

試合前に聴く音楽や好きな音楽は何ですか。

 2パターンあります。コンディショニングが良く、早くレースがしたいと思うときはEXILEの「PARTY ALL NIGHT~STAR OF WISH~」などアップテンポな曲を聴いています。調子があまり良くないなと感じている時は足立佳奈さんの「面影」「ココロハレテ」などで気持ちを上げています。ウオーミングアップが終わってから聞き始めます。昨年からヘッドホンを付けて登場し、レース直前の約30分間聴いています。何も考えることなく、すんなりとレースに入っていけています。

渡辺一平(わたなべ・いっぺい)

 大分県出身。佐伯鶴城高3年時の2014年ユース五輪男子200メートル平泳ぎで金メダル。16年リオデジャネイロ五輪で6位入賞。17年、19年世界選手権銅メダル。トヨタ自動車所属。22歳。