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社説

北村氏の迷走答弁 閣僚は無理だったのでは

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 「適材適所」という言葉が再び、むなしく響く。安倍晋三内閣で公文書管理を担当する北村誠吾地方創生担当相がしどろもどろの国会答弁を繰り返し、混乱を招いている。

 安倍首相はきのうの衆院予算委員会で北村氏について「しっかりと任務を果たしている」と語り、続投させる考えを示したが、深刻な状況が分かっていないのではないか。

 これまで北村氏は、「桜を見る会」の推薦者名簿の保存期間が各府省によって異なる点に関し、何を質問されているのか理解できていないと思われる答弁を続けて審議が再三中断。官僚が手助けしても用意された文書を読み間違えることもあった。

 あわてた与党は内閣府の官僚を政府参考人として答弁させることを強引に決めた。この結果、きのうは官僚がまず答え、北村氏が「今の説明の通り」と述べる場面があった。

 一連の政治改革で、閣僚に代わり官僚が答弁する政府委員制度は廃止され、閣僚答弁が原則となった。「政治主導の国会」という当時の目的はもはや忘れ去られているようだ。

 森友・加計問題をはじめ、公文書の管理は安倍内閣が問われ続けてきた重大な問題だ。「桜を見る会」の疑惑でも、政府が提出した関連文書の一部が白塗り加工されるなど、情報隠しが焦点の一つとなっている。

 「特命担当相」と聞けば、その分野の専門家が就くと誰でも思うはずだ。しかし北村氏が公文書問題に精通していたとは到底思えない。

 年功序列だったのか、自民党の派閥の推薦だったのか。そもそも北村氏を公文書管理担当にすること自体、この問題を軽んじる首相らの姿勢を如実に物語っている。

 前改造内閣で五輪担当相を辞任した桜田義孝氏を思い出す。北村氏と同様、国会でまともな答弁ができず、大きな批判を招きながら、首相は放置し、その後、パーティーの席での失言を理由にようやく更迭した。

 昨秋の内閣改造で北村氏が初入閣した当初から、地方創生関連の政策を含めて「答弁は大丈夫か」と不安視する声が自民党内にもあった。桜田氏の人事をまるで反省していなかったということだ。

 閣僚の資質に目をつぶり、新年度予算案の成立を急ぐばかりでは安倍政権はさらに信用を失うだろう。

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