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援助物資に漢詩添え 日本からの心遣い 中国で話題「受けた恩は何倍にも」

富山県が中国・遼寧省に送った支援物資の段ボール=同県提供

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 「遼河雪融 富山花開 同気連枝 共※春来」(遼寧で雪が解ければ 富山で花が咲く 同じ木でつながる枝のように 春が来るのをともに望む)

京都府舞鶴市が大連市に送った支援物資=舞鶴市提供

 新型肺炎が広がる中国に対し、日本から漢詩や中国古典の一節を引用したメッセージを添えてマスクなどの支援物資を送る動きが相次いでいる。粋な心遣いは中国で「同じ漢字文化圏ならでは」とインターネットで拡散され、病気との闘いが続く緊張感の中、明るい話題になっている。

 富山県は10日、友好都市の中国東北部・遼寧省へマスク1万枚を発送。段ボール箱の一部に冒頭の漢詩をつづった紙を張り付けた。作者は同省出身の県職員、孫肖さん(40)。漢詩のルールに従って、両地を結ぶ思いをつづった。「互いに寒い土地。事態が早く落ち着き、楽しい春が来てほしい」と話す。

 京都府舞鶴市が大連市に宛てたメッセージは「青山一道同雲雨 明月何曾是両郷」。唐の王昌齢による詩の一節だ。同市によると「風も雨も乗り越えた親友同士 別々の場所で同じ月を見ている」という意味を込めた。マスクを送る際に同市みなと振興・国際交流課内で相談し、大連からの国際協力員、曲振波さんのアドバイスを受けて決定した。

 苦境が続く中国ではSNSを通じて日本側の支援に関する話題が広がり、主要メディアも相次いで報道。中国では小学校から漢詩をしっかり習い、クイズ形式のテレビ番組が人気を集めるほど教養として浸透している。「受けた恩は何倍にもして返さなくてはならない」と、中国の故事成句を盛り込んだネットの書き込みも目立っている。

 中国のネットで日本からの支援が紹介される際に付記されることの多いのが「山川異域 風月同天」。武漢の大学などへマスク2万枚以上を送った日本青少年育成協会(東京都)が添えた言葉だ。奈良時代の皇族、長屋王が唐の高僧、鑑真を日本に招く際に送ったとされる詩の一節。同協会は中国語検定HSKを日本で実施していて、中国の大学教員を日本に招く機会も多い。「土地は違っても、同じ空の下で自然の営みは変わらない」との意味を込めた狙いを同協会の本田恵三事務局長は「中国の人たちに最も伝わりやすい方法だと考えた」と話し、中国での盛り上がりに「思わぬ反応だったが、気持ちが伝わってうれしい。早く肺炎が終息し、交流を続けたい」と話した。【林哲平】

※は目へんに分

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