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バレエの場

「振付家」の先駆者、重なった転機 金森穣さんと森優貴さん 2人と1台の共演

金森穣「シネマトダンス-3つの小品」中「夏の名残のバラ」より=写真家・篠山紀信さん撮影

 優秀なバレエダンサーを次々に輩出する、日本舞踊界。しかし、こと「振付家」に関しては、やや心もとないかもしれない。

 そんな中で気を吐いているのは、2004年から新潟市で舞踊団Noism(ノイズム)を率いる金森穣さん。首長交代による存亡の機を乗り越え、新たな一歩を踏み出したばかりだ。

 一方、同じく当代きってのクリエーターである森優貴さんが、ドイツ・レーゲンスブルクでの活動を8年で切り上げ、故郷・神戸市に帰ってきた。前者は「日本初」の公立劇場専属舞踊団の芸術監督。後者は欧州の劇場で舞踊監督に任じられた「最初の日本人」。先駆者2人の転機が重なったのは、偶然だろうか。

 新潟市とさいたま市でのノイズム公演「ダブルビル」(2本立て)は、地方都市から世界を見据える両者の「所信表明」のようでもあった。以下、夕刊芸能面に掲載された拙評を引用する。

 存続の危機を越えた新潟市の舞踊団ノイズムの再出発は、新作のダブルビル(2本立て)。ゲスト振付家・森優貴の「Farben(ファルベン=「色彩」の意)」と、芸術監督・金森穣による「シネマトダンス―3つの小品」である。

 両作を通じて特筆すべきは、副芸術監督・井関佐和子の研ぎ澄まされた身体制御と存在感だ。映像を使った金森作品では、3部作の中心となる「夏の名残のバラ」を山田勇気と踊った。

 幕に大写しとなる、楽屋で化粧中の井関。深紅の衣装をまとって舞台袖に向かう背中を、ビデオカメラが追いかける。幕が上がると上手には、いま楽屋を出たかのように立つ井関。下手でカメラを構えていた山田が走ると、背後のスクリーンで井関がみるみる拡大し、観客は彼が「現在」を映していることを知…

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斉藤希史子

1990年入社。東京学芸部編集委員。書評、歌壇・俳壇の担当を経て、現在はバレエとクラシック音楽を取材。学生時代は中世国文学を専攻したため、部内では「古典派」と呼ばれている。ひいきは元・英ロイヤル・バレエのブルース・サンソム。

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