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昨今ことば事情

介護殺人=近藤勝重

 軽妙洒脱(しゃだつ)なエッセーで知られた山田風太郎氏は「半身棺桶」で「人間は生まれて来るときの姿は同じだが、死んでゆくときの姿は万人万様だ」と高名な作家らの死の床での姿を描き出している。便意の際の行動など、身につまされる感ありで、自らの最期も思い巡らせていたのではなかろうか。

 時代はさかのぼって明治中期の俳人、正岡子規がカリエスの激痛に耐えながら記した「病牀六尺」は、ふしたままの患者の真意と、その家族らの望ましい振る舞いを示唆した作品としても読める。

 「病気が苦しくなつた時、または衰弱のために心細くなつた時などは、看護の如何が病人の苦楽に大関係を及ぼすのである。殊(こと)にただ物淋しく心細きやうの時には、傍の者が上手に看護してくれさへすれば、(略)病苦などは殆(ほとん)ど忘れてしまふのである」。その上で「しかるに」と続け、家族の看護を批判、病気介抱の教育の必要性を説く。看護した母親や妹に何と厳しいことを……と思えぬでもないが、一方で寄り添う介…

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