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政府クラウドにAWS採用へ セキュリティー対策評価、10月から切り替え

総務省=東京都千代田区霞が関で、根岸基弘撮影

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 総務省は14日、政府の各省庁を横断するクラウドを使った情報システム「政府共通プラットフォーム」に、米アマゾン・コムの子会社が提供するクラウドサービスを採用する方針を明らかにした。政府はこれまで自前のデータセンターなどを運用してきたが、米大手ITのサービスに切り替えることになる。

 採用するのは、「アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)」で、10月から切り替える。高市早苗総務相は14日の閣議後記者会見で、「純国産クラウドを実現できないかと考え国内各社と比較検証も行ったが、AWSがセキュリティー対策でも優れていると判断した」と述べた。

 政府は、省庁や部局ごとに構築していた情報システムを統合し、2013年から政府共通プラットフォームを運用している。だが、専用サーバーやデータセンターの管理・運用費用が年間約200億円に上るほか、最新技術の採用が遅れがちになるという欠点があった。そのため、19年に自前主義にこだわらず民間のクラウドサービスを積極的に採用する方針を決定し、事業者の選定を進めていた。

 まずは各省庁の人事や給与、文書管理で利用し、安全性や費用対効果を見極めた上で他の業務も徐々にAWSのサービスに移行させる。機密性の高い情報については引き続き各省庁で管理する。高市氏は、AWSに対し日本へのデータセンター設置や国内法に従うことなどを義務付けると説明。「データ送受信の常時監視などセキュリティー対策をしっかり行う」と話した。

 クラウドサービスでは、巨額の設備投資を続けるAWSと米マイクロソフトが首位争いを繰り広げ、米グーグルが後を追う。調査会社カナリスによると、18年の世界シェアは、AWS31・7%▽マイクロソフト16・8%▽グーグル8・5%と、米IT大手による寡占化が進んでいる。国内市場でも、首位を争うのはAWSとマイクロソフトで、続くNTTコミュニケーションズのクラウド基盤事業の売上高は2075億円と、AWSの350億ドル(約3兆8000億円)に遠く及ばないのが実情だ。

 AWSは、米中央情報局(CIA)や英国、シンガポールの政府機関も採用。安全面での信頼も高く、総務省の決定については「妥当な判断」(業界関係者)との声は多い。ただ、一部企業にデータの集中が進み、競争が働かなくなるとの懸念も指摘されている。そのため総務省は、将来的には日本企業を含む複数のクラウドサービスを組み合わせることも検討している。国内の大手クラウド関係者は、「国内事業者には長年培った『国産の安心感』というブランドがある。通信障害が発生しにくい技術などを提供し生き残りたい」と話している。【加藤明子、宮崎稔樹】

ことば「クラウド」

 「クラウドコンピューティング」の略で、インターネット上にデータを保存したり、ソフトを置いて利用したりする仕組みのこと。一台一台のパソコンにソフトをインストールしたりデータを保存したりする必要がないため、ネットにさえ接続できれば場所を問わずサービスを使える。個人向けでは、米グーグルのメールサービス「Gメール」や写真共有アプリ「インスタグラム」などが有名。他にもオンラインゲームや動画配信サービスでもクラウドが使われている。企業にとっても、自社でシステムを持つ必要がないことでコストを抑えることができ、システムの保守点検はクラウド事業者が請け負うため、商品開発など本業に集中できるメリットがある。

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