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追えぬ経路、未知の感染者 渡航歴ない新型肺炎、次々に 急がれる患者増加への備え

 中国への渡航歴のない人の新型コロナウイルス感染が相次いでいる。13日に国内初の死亡例を含む4件が確認され、14日にも北海道、東京都、愛知県、沖縄県などで新たな報告があった。感染経路を追えていないケースもあり、国内各地で患者が急増する新たな段階に備えた医療体制の整備が急がれる。

 「ちょっと気分が悪い。どこでうつったか分からないというのは……」。14日朝、70代男性の新型肺炎感染を発表した和歌山県の仁坂吉伸知事は、この男性と前日に感染が明らかになった県内の50代男性医師との接点が把握できないことへの不安を吐露した。接点がなければ、他にも地域内に未知の感染者がいる可能性が高まるからだ。

 その約1時間後、閣議後の記者会見に臨んだ加藤勝信厚生労働相は、渡航歴のない人の感染確認が相次いでいる状況でも「国内で流行、まん延している状態ではないという従来の見解を変更する根拠はない」と繰り返した。

 だが、既に市中感染が始まり「新たなフェーズ(段階)に移った」(厚労省幹部)とみる関係者は多い。同日、横浜市内であった日本環境感染学会のシンポジウムに参加した世界保健機関(WHO)の進藤奈邦子シニアアドバイザーは、取材に「中国以外でリンク(感染経路)をたどれていないのは日本だけ」と語り、国に調査の徹底を促した。

 1月16日に国内で最初の新型コロナウイルス感染確認が発表されてから、間もなく1カ月になる。2月13日までの感染確認は251人だが、国内での流行を抑えるには最も増えてはならない「渡航歴のない人」は、13日に4人の新たな報告があるまでは5人にとどまっていた。検査の対象が限定されていたとはいえ、感染経路がほとんど追える状況で、ウイルスの国内侵入を食い止める水際対策には一定の効果があったと言える。

 ただ、水際対策には、強さに応じた負担も伴う。政府はチャーター便で中国湖北省武漢市から運んだ帰国者に対し、症状のない人も含めた全員をウイルス検査し、陰性でも潜伏期間(最長12・5日)中の宿泊施設待機を求めた。2月に横浜港入りしたクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」に対しても「潜伏期間が過ぎるまで事実上の隔離」の原則を適用。だが、3700人を超す乗船者全員の検査実施や宿泊場所提供の態勢が整わず、船内に留め置いた結果として、218人(13日時点)の感染者を含む大勢の体調不良者が出た。

 政府がこの対応に苦慮する一方で、ウイルスは静かに国内に入っていた。それが明るみに出たのは、今月7日、感染の疑いがあるとして検査する対象を、中国湖北省(13日から浙江省も追加)への滞在歴などの国の基準に縛られず、各保健所の判断で柔軟に実施できると厚労省が通知したことが大きい。13日に確認された患者4人は、いずれも基準に明確には当てはまらないケースだ。

 もともと感染症の水際対策は、感染の拡大をできるだけ遅く、小さくする「時間稼ぎ」でしかないのが実情だ。特に新型コロナウイルスは、風邪のような軽症で治まる場合もあり、自覚がないままに他人に感染させる可能性がある。中国での流行の早さも、そのことを物語る。国内でも渡航歴の…

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