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第103回全国高校野球選手権

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後輩への期待/上 天理 打つ野球で楽しく 橋本武徳総監督(75) /奈良

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天理野球部の歴史について語る橋本武徳総監督=天理市の天理親里競技場で、小宅洋介撮影 拡大
天理野球部の歴史について語る橋本武徳総監督=天理市の天理親里競技場で、小宅洋介撮影

 <センバツ2020>

 ――1982年に天理の監督に就任しました。

 ◆当時の監督が病気で辞任し、天理教本部からの要請で就任しました。部員は不祥事があり、1年半の謹慎期間中。それでもほとんどの部員は辞めておらず、大変感心したんです。春にようやく謹慎が明けると、試合なんかまるでしたことがない子たちがいきなり県大会で優勝して、近畿大会で決勝まで進んだ。

 しかし、肝心の夏の県大会では初戦で負けてしまいました。その時、自分は選手たちに何ができたのかと感じたんです。一つでも良い思い出を持って、天理高出身だと胸を張って言えるような中で卒業させてあげたいと思うようになりました。

 ――天理は2019年秋の県大会は3位でしたが、近畿大会では優勝と躍進しました。

 ◆元から良い物は持っていたと思います。県3位で通過したときは「大丈夫かいな」と思いましたが。瀬千皓(ちひろ)選手(1年)や河西陽路(ひろ)選手(2年)など、すごい打球をいとも簡単に放つ選手がいて、下林源太主将(2年)がチームを引っぱる。ただ打線は水物ですから、庭野夢叶(むうと)(2年)、達孝太(1年)両投手らがしっかりとゲームを作らないといけない。投手力が安定して、自分たちの力を出せれば良い試合をしてくれるのではないでしょうか。

 ――チームは強力打線を誇り、19年秋は公式戦12試合で計20本塁打でした。

 ◆やっていて楽しいのは「打つ野球」です。監督の時もあまりバントは使わず、選手たちにも三振を恐れずに振りにいくよう指導していました。三振したらいけないとか考えていたらバットを振れなくなる。中途半端な野球をやっていても成長しません。これは天理の伝統だと思います。

 ――今回は智弁学園とのダブル出場です。天理にとって智弁とは。

 ◆やはり両校とも力があり、ライバル校があるから互いに強くなれました。センバツでは同一県内のチームはあまり対戦しませんが、いつか奈良決戦ができたら良いですね。

 ――選手たちに一言。

 ◆一冬越えれば、パワーもついて体も成長している。これだけの練習をやってきたのだから甲子園では思い切って楽しんでほしい。必ず結果は付いてきます。【聞き手・小宅洋介】

     ◇

 第92回センバツに出場する天理と智弁学園。伝統と実績を誇る両校のOBに、各校の歩みや甲子園での期待を聞いた。


 ■人物略歴

橋本武徳(はしもと・たけのり)さん

 天理高から法政大、天理教本部職員を経て、1982年に天理高野球部監督に就任。86年夏には全国制覇を果たした。一度は監督を退くも、再登板した90年の夏の甲子園で再び日本一に。2011~15年にも監督を務め、12年夏の甲子園ではベスト8入りした。現在は野球部総監督。

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