読み継がれる石牟礼作品 目指すべき「近代」示す 岩岡中正・熊本大名誉教授に聞く

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命日に合わせて出版された石牟礼道子さん関連書籍の一部=森園道子撮影
命日に合わせて出版された石牟礼道子さん関連書籍の一部=森園道子撮影

 <日曜カルチャー>

 『苦海浄土(くがいじょうど)』などの著作で知られ、熊本を拠点に活動した石牟礼道子さん(1927~2018年)が亡くなり、10日で2年を迎えた。三回忌に合わせ、追悼文集や遺稿集、晩年の句・画集など関連書籍の出版が相次いでいる。石牟礼さんは作家、歌人、俳人、エッセイストなど、さまざまな顔を持ち、今なお多くの人を引きつけてやまない。「石牟礼さんは思想家であり、時代をさし示す詩人だった」と語る岩岡中正・熊本大名誉教授(72)=熊本市在住=に、今、石牟礼作品を読む意味を聞いた。【上村里花】

 岩岡さんは、石牟礼さんを「時代の最も困難な問題に解決の糸口を提示する真の意味での思想家」と位置づける。言い換えれば、優れた詩人でもある、と。「詩人は、合理的な議論では超えられない部分を詩的直観で示唆する人」と言う。石牟礼さんはまた、他人の痛みを自分の痛みとした「悶(もだ)え神」であったが、これも「詩人的能力」と説く。

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