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北海道ダークツーリズム紀行

戦争や災害、差別など悲しみの記憶を持つ土地を巡り、現地で近現代社会について考える旅「ダークツーリズム」が全国的に知られつつある。戦争体験者が高齢化するなど直接の証言者が減る中、記録や遺構など、もの言わぬ痕跡からどうすれば教訓を得ることができるのか。

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北海道ダークツーリズム紀行

開拓編/中 佐呂間・栃木地区 強いられた集団移住 土地を汚染された民の望郷 /北海道

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4キロある直線道路沿いに牧場や畑が広がる北海道佐呂間町栃木地区=2019年12月
4キロある直線道路沿いに牧場や畑が広がる北海道佐呂間町栃木地区=2019年12月

 美しい夕日やサンゴ草の群生で知られるサロマ湖から、車で内陸部に約40分。小川にかかる「栃木橋」を渡ると、牧場が広がる集落にたどり着く。100年以上前の明治末期に開墾された佐呂間町の「栃木地区」。今でこそ農村風景が美しいが、当時はオホーツク海の北風が吹き込み、町内で最も雪解けが遅いうっそうとした森だった。

 入植したのは、栃木県谷中村(現・栃木市)の農民ら。古河財閥が経営する足尾銅山(栃木県)から流出する鉱毒で広大な農地が汚染され、1911(明治44)年に集団移住を強いられた。古里から約1000キロ。未開の地に「もう一つの栃木」を築いた。

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